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インタビュー2006年12月14日 11時20分 更新
インタビュー:デジタルでも変わらぬ、ラジオのDNA (3/3)――その、“新しい船”はどのようなリスナー像を想定しているのですか? 藤氏: TOKYO FMはキー局なので、F1・M1(20〜34歳の男女)層を中心としつつ、全国の誰にでも聞いてもらえる総合的な番組作りを心がけている側面もあります。ですが、デジタルラジオについては、「アグレッシブ ライフスタイル チャンネル」で高校生から20代前半をターゲットに、「ハイクオリティ チャンネル」ワンセグ端末やFM(アナログFM)携帯のメインユーザー層である30〜40代をターゲットにするなど狙いをより明確に打ち出しています。
対応端末「W44S」を手に。当面は携帯電話のユーザーを重視していくつもりだという車載やPC内蔵型など、対応端末の形態のバリエーションが増えればこれらの構成を見直すこともあるかも知れませんが、当面は携帯電話で聴くことがメインとなりますので、若者と大人という2つのセグメントを重視しようと思っています。「ニュース チャンネル」などではデータ放送を重視することもあるかも知れませんが、「音声なし」という番組を放送することは考えていません。 ――Webで公開されている番組表を見ると、いくつかの同日再放送(リピート)も含まれています。これは暫定的なものなのでしょうか。 藤氏: いまは正直言って収益の問題もあり、松竹梅の「梅」の体制で始めているようなものです。ひとつひとつの番組には全力投球しておりレベルにも自信がありますが、3チャンネルの運営を同時スタートした現状では、リピートも敢えてそれもまたよしという認識です。 ただ、ラジオというのは「ナマ感」がないとダメで、トークのないプログラムを1カ月間延々とかけ続けるだけのようなことでは魅力に乏しいと私は思うんです。コミュニケーションがあって、リコメンドがあって、日々に即した話題が提供される――。将来的に、と遠いことを言わず、なるべく早く既存の放送のように、24時間つねに新しい番組が流れている状態を目指しています。 ――収益の話が出ましたが、ビジネスモデルとしてはどのようなビジョンを持たれているのですか。 藤氏: まずは既存放送と同じ音声のCMです。現時点ではまだ流していませんが、まずはここからです。また、BMLを利用すればプッシュ型の配信も可能になりますし、動画CMについてもテレビのような短時間のものではなく、インフォマーシャル的な長時間の映像を流すこともできると考えています。 その次の段階が、拡張2セグメントを利用したダウンロードモデルです。音楽はもちろん、ムービーやブックレットなども配信すれば、音声広告とはまったく異なるビジネスに結びつけることができます。 ――それだけ心を砕いても、すべては聞いてくれるリスナーありきです。PRのプランはどのようになっているのでしょう。あと、気になる視聴エリア拡大はどのようなスケジュールで進むのでしょう(首都圏については、東京タワーの出力(800ワット)を、3倍の2.4キロワットにアップするための申請が許可され、現在はその試験が行われている)。 藤氏: DRPにはもっとPR活動をしてほしいですね。各チャンネルの番組内容については各局が自らのチャンネルだけをPRするのは当然の分担ですから、DRPにはもっとデジタルラジオとはなんぞやとか、どこで聴けるのかとか、無料で聴けるとかいう基礎的な告知をしてほしいと思います。 究極的なPRはラテ欄(新聞などに掲載されるラジオ/テレビの番組表欄)への掲載でしょう。いまはまだリピート放送が多いので掲載したくないという考えに、理解もできなくはないですが、既存のFM放送は実用化試験放送の時から、ラテ欄に載っていたんです。 自社での普及活動も行っていきます。既存放送の番組内やWebサイトはもちろんですが、それだけでは十分とはいえませんから、もう少し違ったかたちでのPRも行っていくつもりです。 エリアですが、特に大きな問題が起きなければ2007年2月には落成検査が受けられるという、DRPの資料を確認したので、逆算していけば1月の半ばからは2.4キロワットでの連続送信が行われるはずです。 ――対応端末が登場したことでデジタルラジオの知名度も上がっていくと思いますが、初めて触れるひとへ、まずはどんなところに注目して欲しいと思いますか? 藤氏: まずはやっぱり動画ですね。テレビと何が違う?という意見も当然あると思いますが、音楽局を自負していますから、音楽を楽しむヒトにとって動画があるとどれだけ楽しさが広がるかを体験してもらえると思います。 テレビから典型的な歌謡番組がなくなって久しく、“音楽とリスナーの近さ”とも言うべきものがなくなっていると思うんです。これをデジタルラジオで復権させたいのです。音楽業界全体が縮小してるように言われますが、レコードメーカーや音楽事務所など業界全体でパイを拡大していきたいと思っているのです。 増力もまだ途中なので全面開始できていませんが、ダウンロードサービスもアピールしたいポイントですね。欲しいと感じたそのときに検索不要でコンテンツが手に入る、そうした利便性を提供できると思います。 ――TOKYO FMといえば音楽番組に力を入れている放送局というイメージが定着していると思いますが、本格的にスタートした「TOKYO FMのデジタルラジオ」をどのように認識して欲しいと思いますか? 藤氏: 「新しいメディアができた」と認識してもらえればうれしいです。確かに音声が主であることには変わりないですが、「ラジオだから動画はいらない」「ラジオは音で勝負するモノ」とかいう、頭でっかちで抑制的な思考にとらわれるのはいかがなものでしょうか。実物に触れもせずに会議室で難しく考えるのではなく、より自由に「音楽をもっと楽しめるメディア」が誕生したと体で感じてもらえればと思います。 関連記事
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