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32V型のフルハイビジョン、「AQUOS Gシリーズ」が狙うもの(2/2 ページ)

» 2006年12月14日 12時34分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 同社が32インチクラスのフルHD化に踏み切った理由は単純で、需要が見込めるからだ。出野氏によると、今回の主なターゲットはパーソナル需要。つまりリビングルームにある大型テレビに対し、個室や寝室に設置する「2台目のテレビ」だという。実際、同社が行ったアンケート調査では、32型AQUOS購入者の1割程度が2台目であり、またAQUOS購入者全体の2割が2台目のテレビとして「32型」がほしいと回答している。

photophoto 明るさや黒レベルなど細かい画質調整が行える(左)。入力は豊富(右)。AQUOSファミリンクに対応しているため、AQUOSレコーダーを接続すると機種名が表示される

 また、デジタルカメラの普及や「Playstation 3」など1080P出力に対応したゲーム機の登場も見逃せない。「32インチのフルHDなら、1.2メートル程度の距離で見ても精細感は失われない。これはPCと接続して写真を閲覧したり、最新ゲーム機と接続して高精細な画面でゲームを楽しむのに丁度いい距離だ」(同氏)。このためGシリーズには、2つのHDMI(Ver.1.2a)にくわえDVI-Iを搭載。ドット・バイ・ドット表示にも対応し、「デジカメ画像を表示すると(WXGA機とは)ディティールが違う」。

photophoto 2つのHDMI(Ver.1.2a)にくわえDVI-Iを搭載。i.Link端子も2つ用意している

 では、32インチよりも小型のフルHD液晶テレビを投入する予定はあるのだろうか? 出野氏は「2004年に45インチのフルHDモデルを発表したとき、“37インチはいつだ?”と聞かれた。37インチのフルHD機を出したときは“32インチは?”と言われた」と笑う。「となると、次は26インチ。要望がある限りは、やらなければならないでしょう」。

 現在の技術レベルなら、26インチのフルハイビジョン機も「画面の明るさや価格を考えなければ」という条件付きで可能だ。しかし「AQUOSで提供する以上は一般化させること(=普及価格)を考えなければならない。課題はやはり価格だろう」。

 なお、Gシリーズの価格に関していえば、店頭想定価格は28万円前後と、初号機らしい微妙な位置付けだ。37V型フルHD機との差が小さく、たとえば旧モデルのフルハイビジョン37型のほうが安いケースも出てくる可能性がある。この点について同氏は、「WXGA機に5〜6万円の上乗せで購入できるレベルに設定した。(ショップのポイント制なども含め)32インチWXGA機と37インチフルHDモデルとの間に位置づけられると思う」と話していた。

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