インタビュー
2007年01月10日 12時48分 更新

2007 International CES:

松下のBlu-ray戦略――現状と今後 (1/2)

CES会場近くにて、松下の次世代光ディスク事業の舵取りを実質的に判断している松下電器産業・役員の津賀一宏氏に、次世代光ディスクの現状と今後について話を聞いた。
photo 松下電器産業・役員の津賀一宏氏(写真は昨年のInternational CES 2006にて撮影)

 米ラスベガスで開催中の「International CES 2007」会場近くにて、松下電器産業・役員の津賀一宏氏に、次世代光ディスクの現状と今後について、松下電器の立場から話をいただいた。同氏はかつてHi-Vision system、DVDなどの開発に携わり、現在は同社のデジタル家電開発の責任者。松下の次世代光ディスク事業の舵取りを実質的に判断しているのが津賀氏である。昨年に引き続いてのインタビューとなった。



――まず、国内におけるBDレコーダー事業についてですが、「DMR-BW200」が大変に好調だったようですね。昨年末の市場動向をどのように捉えていますか?

津賀氏: 昨年末、次世代光ディスク事業という枠だけでいえば、まさに“一人勝ち”の状態でした。われわれはもともと国内のレコーダー市場にターゲットを絞ってBD製品を開発していました。価格面でもスペックでも妥協しないという意志をもって、消費者が求める機能の“ツボ”を押さえた製品にできたことが成功につながったと思っています。

――“ツボ”というのは、2層記録やi.Linkによるダビング機能、CATV端末からの録画やダビングといった部分でしょうか?

津賀氏: 録画機においては、最長記録時間が非常に大きなポイントです。2層ディスクはコスト高なので1層しか使わないという意見を耳にすることもありますが、そうではないと私たちは考えています。1層でBDデジタル2時間を超える十分な記録時間を確保しながら、さらに1枚に長時間番組をまとめておきたい時に、きちんと対応できる奥深さが必要でしょう。ユーザーに使い方の幅を持たせるためにも2層に対応しておくことが重要なのです。

 その上で、ユーザー自身が1層を選ぶのか、それとも2層を選ぶのかはユーザー自身が決めれば良いのです。昨年も申し上げたように、われわれは最初から2層記録を核に低価格モデルも2層対応させました。

 加えてコピーワンス制限などの現状を考えれば、BDドライブを搭載しないDIGAとの連携なども当然重要です。そのためにDVDドライブ搭載のディーガにも、あらかじめiLINK端子を搭載するなどの準備を進め、プラットフォームとしての整合性を持たせることで準備を進めてきました。また、幅広いお客様に使っていくには、CATV端末との連携も当然必要です。ユーザーの立場に立って、使いやすさやコンテンツの運用を見据えて事前に準備を進めてきた結果として、BW200の好調があると考えています。

photo 好調な松下のBDレコーダー「DMR-BW200」

――そのBW200は昨年末、どの程度の台数が売れたのでしょうか?

津賀氏: 当初はほぼひとり勝ちでしたが、実はここまで最上位機のBW200にニーズがあるとは我々も読み切れず、年末には供給遅れの影響が出てシェアを落としてしまいました。それでも実数で年内2万台。月に1万台のペースで売れています。直近では下位モデルのBR100も売れ始めており、少しずつですが最初のマニア層から一般層へも広がり始めています。

――BDAのプレスカンファレンスでは、日本における次世代光ディスクレコーダ・プレーヤで96%がBDドライブ搭載機という数字が出ていました。

津賀氏: これも昨年、申し上げていたのですが、もともと国内でフォーマット戦争はなかったのです。HD DVDはパッケージソフト向けのROMのみに焦点を当てた規格です。記録型ではデジタル放送のビットレートやユーザーの使い方を見ても、ハイビジョンではBDしか選択肢はありません。国内はプレーヤ市場がほとんどなく、レコーダーがビジネスの中心ですから、フォーマット戦争には至らないのです。不戦勝と言ってもいいでしょう。

 仮にフォーマット戦争が存在していたとしても、レコーダー市場中心において負ける要素が全くありません。PCドライブに関しても、記録型ドライブを早期に提供しましたし、BDの記録型ドライブを内蔵したパソコンも発売されています。次世代光ディスクでは、国内と海外の話が混同されることも多いのですが、日本市場について冷静に考えれば、明らかで、プレーヤが安く提供されるから売れるとはなりません。良いものでなければ、安くとも売れないんです。

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[本田雅一,ITmedia]

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