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HDパッケージを強化するワーナー、「Total Hi Def」の詳細を発表2007 International CES(1/2 ページ)

» 2007年01月11日 02時08分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 ワーナー・ブラザースは、昨年末から噂されていたHD DVDとBlu-ray Disc(BD)の両互換ディスク「Total Hi Def Disc」(THD)の発表会を「2007 International CES」会場近くのホテルで開催した。ワーナーは独自のブースを出しておらず、この発表がTotal Hi Defを説明する唯一のイベントとなった。

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 しかし、大々的なパーティ形式での発表となったTotal Hi Defだが、会場での反応は冷ややかなものだった。「青と赤の融合」をテーマにしたプレゼンテーションは華々しかったものの、消費者利益を前面に押し出すアナウンスメントに「ディスクコストが高すぎるのでは?」「そもそも複数フォーマットをなぜサポートするのか? 今後もサポートし続ける必要があるのか?」などの質問が飛んだ。

 ワーナー・ブラザース会長兼CEOのBarry M. Meyer氏は、「1950年代における映画のテレビ放送、それに90年代後半に始まったDVDビジネスなど、ワーナーは歴史の中で常に新しい技術に対して一番最初にコンテンツを提供してきました。そして今日は、われわれのビジネス、そして消費者にとっても利益があると考えられる新しい技術を発表します」と切り出し、Total Hi Def Discをアナウンスした。

photo ワーナー・ブラザース会長兼CEOのBarry M. Meyer氏

 THDは両面ディスクで、片面がHD DVD、もう片面がBDとして使えるROM専用フォーマットである。このためディスクラベルは印刷できない。

photo THDのパッケージイメージ。「青と赤の融合」がテーマだ

 ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントグループ社長のKevin Tsujihara氏は、「THDは消費者に対する完全な選択肢です。HD DVDなのかBlu-ray Discなのか。消費者はどちらのフォーマットを支持するかを意識する必要はありません。加えてクリエイターやアーティストにとっても、両規格を1枚のディスクでサポートできる点で優れます。さらに流通業者は、規格ごとに確保しなければならない売り場の問題に関して助けを出すものになります」と話した。

 Tsujihara氏とともに壇上に上がったワーナー・ホームビデオ社長のRon Sanders氏も「われわれの調査では、消費者はHDパッケージに対して非常にポジティブな反応を示している。HDコンテンツが提供する新しいレベルのスリルを体験すると、さらに次のコンテンツが欲しいという。ところが消費者は、どちらのパッケージを購入すればいいのかわからない。THDならその問題を解決可能だ」と支持した。

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