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HDパッケージを強化するワーナー、「Total Hi Def」の詳細を発表2007 International CES(2/2 ページ)

» 2007年01月11日 02時08分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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photo THDのデモ

 ワーナーによると昨年トータルのHDパッケージ売り上げは、両規格を合わせ、DVD時の2倍に達するという。また購入者の98%がHDパッケージソフトに満足し、90%が画質を「非常に満足」と回答。81%がDVDよりもより良いと考えており、85%がDVDよりも高い価値があると感じたという調査結果を発表した。そしてHD DVDプレーヤーの低価格化や中国製プレーヤーの参入、BDプレーヤーやPS3の発売などで再生環境が立ち上がる2007年を、「HDパッケージビジネス元年」と位置付け、HDパッケージソフト全体の市場は10億ドルに達すると予測した。

 その根拠としているのは、北米でのHDTV普及だ。2007年は5500万世帯がHDTVを保有するようになる。また2008年はこれが8000万世帯になると予測し、ビジネスのさらなる拡大を見据えてHDパッケージビジネスの本格化にゴーサインを出した。

 すでにワーナーは85のHDパッケージを発売中で、昨年は37%のシェアを獲得。DVD時にHDパッケージで先行したように、HDパッケージの普及と売り上げでも先頭を切って走る。

 ワーナーはHD DVDとBDの売り上げが拮抗、あるいはHD DVDの方が優位と考えているようで(HD DVD6億ドルに対してBDが4億ドル)、両フォーマットをサポートし続ける負担を減らすためにTHDを企画したようだ。消費者調査でも、THDに対する反応は良いとTsujihara氏は強調する。

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 49%が「通常のディスクよりTHDを買いたい」と答え、68%は映画が見られるなら(規格争いの)「どちらが勝つかに感心がない」。62%がどちらの規格が良いか購入時に迷い、46%は欲しいソフトがあるなら異なる規格を買う可能性があるという。

 上記はワーナーが外部機関に依頼して割り出したデータだ。THDのオリジナルのアイディアは流通コスト削減を狙ったものだろうが、あくまでも消費者が求めるディスクなのだとワーナーはアピールする。

 しかし前途は多難だ。THDをサポートするのは、ワーナーほか、ニューラインシネマ、HBOの2社で、いわゆるワーナーファミリーのみ。ベストバイなど流通からの支持は、売り場の棚確保を考えれば当然だが、反面、価格は高くなる。

 THDの発売は2007年後半と発表されたが、現時点ではディスク複製会社のシンラムが実験的な試作ディスクを制作した段階で、関係者によると歩留まりはまだ10%台前半だという。それでも“やるとなればやる”だろうが、パッケージ価格は高くなりそうだ。

 Tsujihara氏は価格について尋ねられると、「消費者への調査では、両規格でかかるディスクに対してならば、多少高いコストを支払っても良いという結果が出ている」とのみ答えた。

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