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BDの「ソニー」対HD DVDの「東芝」――それぞれの主張2007 International CES(3/4 ページ)

» 2007年01月13日 01時29分 公開
[本田雅一,ITmedia]

東芝の主張――東芝アメリカ副社長・内山善晃氏

photo 東芝アメリカ副社長・内山善晃氏

――昨年、BDに先んじて4月からビジネスがスタートしました。HD-A1とHD-XA1はどのような比率で売れたのでしょう。

内山氏: 9対1でA1が圧倒的に売れています。上位機種は高級AV機器専門チャネルを中心に流通させたため、一般流通ではA1がほとんどです。大変に人気の高い商品となったのですが、特定部品(青紫レーザーダイオードではない)の調達が遅れたことで必要数が用意できず、早々に売り切れ、特に秋口は店頭に品物がない状態が続いてしまいました。

 元々、XA1、A1のあと、秋からはXA2、A2へとバトンタッチする計画で、第1世代モデルは順調に予想通り売れたのですが、第2世代機が若干遅れたために機会損失はあったと思います。

――昨年、HD DVDプレーヤーは何台販売されたのでしょう?

内山氏: 昨年販売したHD DVDプレーヤー全体で7万台出荷しています。セルスルーで6万を超えるぐらいでしょう。機種別の数字は出していませんが、第2世代に入ってからの方が売れ行きは好調です。昨年販売した分の半分は第2世代プレーヤーです。特に12月になってからは好調でかなりの数が売れました。

 業界からのいろいろなサポートもあっての数字ですが、地道なプロモーションが実を結んでいます。たとえば18輪トレーラーを用いたHD DVDの体験イベントですが、デンバーから出発して全米の主要11都市を回りました。各地域のフェスティバルなど、人が集まる場所に行き、HD DVDを見せていたのですが、各地域のメディアで取り上げられ、HD DVDを体験できるイベントとして話題になっています。こうした手法は米国では多いのですが、確実に効果は出ていると思います。昨年の大部分の期間、HD DVDのソフトはあるけれども、BDのソフトはないという状況が続きましたし、名前の上でもHD化したDVDということで知名度の点で我々の方が上です。

――ブランドの認知度に関する調査データはありますか?

内山氏: 我々自身は行っていませんが、映画スタジオが両規格を比較するひとつの情報として取ったものがあります。自宅にHDTVを持っている人へのヒアリングで、“HD DVDという名前をきいたことがある”という人が、全体の2/3ぐらいいました。HDとDVDをセパレートで知っている人という効果もあるかもしれませんが、そうした効果を含めてHD DVDの優位性だと思います。ただ、必ずしもDVDという名前だから知られているというばかりではありません。実は4月ごろはBDの方が認知度は高かったのです。その後、我々が製品を発売し、プロモーションを続けたことで7月から逆転し、以降は常にHD DVDの方が高いブランド認知を獲得しています。先ほどの2/3というデータは、直近、昨年末のデータです。

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