――天体写真はもともとFinePix Proが強い分野のひとつですが、ライブビュー機能は天体写真を想定した機能ですか?
牧岡氏: 天体写真に関しては、従来機ではHαという波長に対して強いことで、天体写真のユーザーからの大きな支持を受けました。今回の製品でもその特性を踏襲しています。ライブビュー機能については、天体用途ももちろんですが、それだけではありません。例えば製品撮影やマクロ撮影などにも役立つ機能です。
被写体や撮り方によっては、オートフォカースでは狙い通りのピントが得られないケースがあります。ライブビューというのは、実際に撮像する面の像を見られますので、まさにフィルム面に眼があるようなもので、極めて正確なマニュアルフォーカスが可能です。
――フェイスズームイン機能の狙いは?
牧岡氏: 人を撮って欲しいカメラですので、人がちゃんと撮れていること確認しやすい機能としてフェイスズームインを採用しました。従来機のように再生して拡大し、人の顔の部分まで拡大位置を移動させる手間が省けます。この技術は、当社のコンパクトカメラで採用した機能の応用です。撮影時のAFやAE用にも機能するコンパクト機の顔検出とは異なり、FinePix S5 Proでは再生時にしか使えませんが、それでも価値は大きいと思います。フェイスズームインは実際に使っていただくと、利便性を実感できると思います。また将来的なテーマとしては、一眼レフ機での撮影時の顔検出も視野に入れています。
――ボタンやメニューの操作インタフェースはD200とはかなり異なりますが。
牧岡氏: 操作系をニコン風にするか、富士フイルム風にするかの議論はありましたが、従来のFinePix Proユーザーに違和感なく使っていただけるように、これまでを継承した当社のUIを採用しました。私たちのメニューの設計思想は、JPEGを重視していることもあり、フィルムシミュレーションモードなどは積極的に変更してもらいたいという考えです。そのために撮影メニュー用のボタンと、セットアップメニュー用のボタンとを分けています。
――D200に比べて連写スピードが遅いですが、スーパーCCDハニカムを使って同等の連写スピードを実現するのは難しいですか?
牧岡氏: CCDから絵を持って行くのに時間がかかり、残念ながらニコンさんのような4チャンネル同時読み出しは実現できていません。技術的に難しいというレベルではないのですが、どの部分を重視するかです。仮に連写を速くして、例えば電源関係やノイズ面に問題が生じたら意味がありません。FinePix S5 Proでは全体の使い勝手や画質のほうを重視しました。
――あらためて読者へアピールして下さい。
牧岡氏: 白飛びに強く、仮に白飛びしても色が崩れない、何よりも撮りやすいカメラです。従来は銀塩のボディをベースにしていたので、完成度が十分ではなかった面もありますが、今回のFinePix S5 Proはデジタル専用ボディです。あらゆる部分が最適化されていますので、どんなユーザー層にも自信を持ってお勧めできます。
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