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ズームもムービーもOKな新EXILIM「EX-V7」レビュー(1/5 ページ)

» 2007年02月15日 09時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 カシオのEXILIMといえばもう一大人気ブランドなのだが、他社主力モデルに比べると、手ブレ補正・広角・顔認識機能といったトレンド機能で出遅れた面があった。

 そこに登場したのが、新シリーズの「EXILIM Hi-ZOOM EX-V7」(以下、V7)。とにかく新しい特徴てんこもりで見どころが多い最新ハイテクデジカメだ。

photo 薄くて全体に丸みを帯びた滑らかなボディのV7。大きさはちょっとハイクラスのスタイリッシュコンパクト並

 V7の大きな見どころは2つ。

 ひとつは光学系だ。カシオとしては初の光学式手ブレ補正搭載カメラであること。EXILIMらしいスリムさを維持しつつ、7倍ズームと高倍率の屈曲光学式レンズを搭載。さらにCCDシフト式手ブレ補正搭載と、光学系をがらっと変えてきた。

 しかも望遠に強いコンパクトデジカメとしては破格の小ささだ。最近はコンパクトな10倍ズーム機も出てきたが、V7ならちょっとハイエンドなコンパクト機(IXY Digital 900 ISとか)と変わらないサイズ。3倍ズーム機並みの気軽さで使えるのは最高によい。

 ふたつめは動画機能のさらなる強化。今までのEXILIMはSシリーズで「MS-MPEG4形式のAVIファイル」サポートしていたが、V7は新しいフォーマット「H.264形式のQuickTimeMovie(MOV)ファイル」となった。その上848×480ピクセルのワイド動画も使うことができる。H.264といえばiTunes Storeで配信されるミュージックビデオなどで使われている圧縮形式であり、MPEG-2やMS-MPEG4より圧縮率が高く高画質なのが特徴だ。

 そしてデジタルらしさを全面に押し出した多機能っぷりも健在といじりがいのあるカメラに仕上がっている。

新型7倍ズームレンズとCCDシフト式手ブレ補正

 まずはレンズ周りから。

photo 正面から。レンズカバーを横にスライドすると電源が入ってレンズが現れる。カバーは開閉しやすく、ひっかかりもいい。レンズの下に撮影ライト(LED)があり、その横にステレオマイクが装備されている

 前面の大きなスライドカバーを横に開くとレンズとフラッシュが顔を出し、スイッチが入る。屈曲光学系なので起動も高速。レンズは35ミリ換算で38〜266ミリ相当の7倍ズーム。テレ側で266ミリもあるのでかなり望遠に強い。明るさはF3.4〜5.3。レンズ径が小さいこともあってちょっと暗めだ。それを、CCDシフト式の手ブレ補正で補っている格好だ。

 撮影最短距離はワイド端で10センチ、ズームするにしたがって伸びていく。もうちょっと寄りたいと思う。マクロ機能を重視する人は要注意。

photo 上から。上面はシャッターボタンのみ。レンズカバーが電源と連動することで、電源ボタンはなくなった
photo 横から。中央部が少し膨らんだ形状だが、非常にスリムで手に馴染む

 動画撮影時は光学式手ブレ補正は働かず、電子式補正となる(だから画角が少し狭くなる)。CCDシフトを働かせるとモーター音がするので、マイクがそれを拾うからかと推測する。

 絞りはF3.4/4.8/9.6(NDフィルタ兼用)の3段階切替式で、絞り優先AEも可能だ。CCDは1/2.5インチの720万画素と極めてポピュラーなもの。ISO感度は64〜800。通常のISOオートではISO200まで上がる。

photo 手ブレ補正はブレ軽減メニューの中でオン・オフを行う。オートだと手ブレと被写体ブレの両方に対処。ISO感度をあまり上げたくないときは「手ブレ補正」、感度が上がってもブレを減らしたいときは「オート」がいい

 メニューの「ブレ補正」には「手ブレ補正」「被写体ブレ」「オート」と、手ブレ補正のオンオフと被写体ブレ軽減用ISO感度コントロールがひとつの項目になっている。

 「被写体ブレ」にすると、ISO感度が800まで上がる。感度が上がるタイミングは、カメラが判断する。動きのある被写体だと検出すると感度が高めになるため、撮ってみるまで撮影感度は分からない。全体に早めに感度が上がるので、オートにすると昼間でもISO200で撮るシーンが多くなる感じだ。

 面白いのは、AF補助光。レンズ部の下にあるLEDが「撮影ライト」としても使えるのだ。高輝度LEDをフラッシュ代わりに使うケータイのカメラ機能と同じで、撮影ライトをオンにすると常灯照明となる。さほど明るくはないので有効なのはマクロ時くらいだが、面白い試みだ(かつて三洋電機からもこういう補助ライトを持ったデジカメが出ていたが、それ以来だろう)。

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