競合製品も多いなか、タカラトミーでは既に次の手を考えていた。高橋氏によると、人生銀行の購入層は男女比にして6:4。ただし、20歳代に限ると比率は逆転するという。「流行に敏感な若い女性層が約6割を占めています。そこでより女性が購入しやすいように風水のエッセンスを加えた2つのカラーバリエーションを4月に投入します」。
ピンクは「恋愛色」、黄色は「金運色」。機能的には従来モデルと変わらないが、なお、風水だけに貯金箱を置く方角によって恋愛運や金運が左右されそうだが、「適切な方角については、風水の先生によっても多少異なるので何ともいえませんが、とりあえず北西に置けばいいでしょう」。
また、6月には廉価版ともいえる新製品「人生銀行ONE」が登場する。従来の高付加価値路線から一転。“貯金箱の住人”は住んでいないものの、価格は980円と大幅に引き下げた。
人生銀行ONEは、その名の通り1円玉専用の貯金箱だ。しかし、人生銀行が上限10万円だったのに対し、今回は「1億円でも対応できる」という。その秘密は、貯金箱の本体に空のペットボトルを再利用すること。お金が貯まり、一杯になったら別のボトルに取り替えればいい。ペットボトルの口は、1.5リットルタイプでも500ミリリットルタイプでも同じ大きさのため、好きなサイズをチョイスできるのが嬉しい。
「人生銀行を見た人たちからは、もっと貯金の額を増やしてほしいと言われました。しかし、それには箱の容積を大きくするしかない。ならば箱自体を取り替えられるようにしようと。ペットボトルを採用したのは、身の回りにあって、一番バカバカしくて、楽しそうだったからです」。
使い方はいたって簡単。洗ったペットボトルの口に、キャップの代わりに人生銀行ONEを取り付ければ準備完了だ。1円玉を投入するとカウンターが動き、最大5桁/1万円までカウントできる。たとえば1リットルのペットボトルなら「およそ1000枚の1円玉が入ります」(同氏)。なお、一杯になったペットボトルを保存するため、製品パッケージには人生銀行のオリジナルペットボトルキャップが1つ付属している。
タカラトミーでは、人生銀行ONEの安さと特徴をいかし、「飲料メーカーとのタイアップなども検討していきたい」と話す。個人消費の落ち込みが日本経済の圧迫要因といわれるなか、それを逆手にとって売れ行きを伸ばしている貯金箱。今後、どれほどのタンス預金を飲み込むのだろうか。
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