三菱電機は2月15日、日ごろの研究開発の結果を披露する「研究開発成果披露会」を同社の情報技術総合研究所(神奈川県大船市)にて開催した。この研究所では主に基礎的な研究開発が行われているが、そのまま生活に直結する技術も研究されている。今回は、その中から「車載情報機器のユーザー適合型インタフェース」をご紹介。
「車載情報機器のユーザー適合型インタフェース」といってしまうと、いきなり堅苦しい印象になってしまうが、基本コンセプトは「個人を認識して、そのヒトにあわせてくれるクルマを作りましょう」(同社)というシンプルなモノ。個人の認識には携帯電話やクレジットカードなどに搭載される非接触ICが利用され、そのヒトそれぞれにあわせた各種の対応が行われる仕組みだ。
デモカーではそれぞれの好みにあわせた音楽や映画、電話帳データなどが用意されたディスプレイに現れるほか、誰が運転席に座るかでメーターデザインすらも自動的に変更される。
非接触ICによる認識とはまた別のシステムも搭載されている。ダッシュボードのAV/ナビシステムについては助手席側からならばすべて操作できるものの、運転席側からでは走行中に必要と思われる項目にしかアクセスできないようにインタフェースが随時変化する(タッチパネルのインタフェースが自動的に変更される)。
これも車内の各席に応じたインタフェースを提供するという発想に基づくもので、ドライバーには可能な限り運転に集中できる環境を提供すべく、ハンドルから手を離さずにいられるようにハンドルと一体化した「ハンドルリモコン」が用意されている。また、VGAパネルを2枚横に並べた超ワイドディスプレイも地図の視認性を向上させ、快適な運転環境の提供に一役買っている。
それぞれの技術自体は既に完成しており、同社では既に各自動車メーカーへ提案している段階。ただ、「提案してるシステムすべてを搭載してくれるかはメーカー次第。まずは部分的に採用されることになるかも知れません」とのことだ。
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