プロはどんなカメラやメモリカードを選ぶ?――3人のプロ写真家インタビュー(1/3 ページ)

プロカメラマンはどんな機材を使っているのか。カメラやレンズ、メモリカードを選ぶ決め手は何なのか。ペット、ネイチャー、広告のそれぞれの第一線で活躍する3人の写真家を取材し、独自のこだわりやノウハウを語ってもらった。

» 2007年02月26日 18時00分 公開
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 カメラ機材は、プロとアマチュアの境目がはっきりしていない。数百万円もする本格プロ機材も存在するが、そうではない普通のデジタル一眼レフ機でも、仕事の道具としてプロカメラマンの間で使われている。逆にアマチュアカメラマンのほうが立派な機材を揃えているという逆転現象さえある。

 しかしプロとアマのいちばんの違いは、写真でメシを食っているかどうかだ。業務として毎日のように撮影を行い、絶対に失敗が許されないのがプロである。一見同じような機材でも、プロには商売道具としてのこだわりがあるはずだ。ペット写真家の平山舜二氏、ネイチャー写真家の織本知之氏、広告写真家の小山達也氏と、プロ写真家3人を取材し、彼らの機材へのこだわりと独自のノウハウを聞いてみた。


犬の一瞬の表情をRAW連写――平山舜二

photo 平山舜二氏。1965年生まれ。東京工芸大学(旧写大)卒業後、広告写真の会社勤務を経て、1999年にフリーランスカメラマンとして独立。現在はペット関連を中心に、雑誌や広告の分野で活躍。ホームページはhttp://www.hctv.ne.jp/~hi-photo/

 カメラマン平山舜二氏の得意分野はペットの撮影だ。もともとはオーディオ機器などの商品撮影の分野で活躍していたが、約8年前にフリーランスとして独立した頃、おりからのペットブームで数多くのペット雑誌が発刊され、それから現在に至るまで実に3000匹以上もの犬を撮影したという。愛犬家なら、雑誌やポスター、カレンダーなどで一度は平山氏の写真を目にしたことがあるに違いない。

 それらの平山氏の写真を見ると、犬が胸を張って、きちんと足を伸ばし、きれいなポーズで静止していることに驚く。こうした犬の撮り方は、ドッグショーなどのショーカメラマンが築いた愛犬業界のいわばセオリーであり、守らなければならない構図やポーズの決まりがあるそうだ。ただし平山氏は、そんなセオリーショットを押さえた上で、それ以外のシャッターチャンスも積極的に撮るようにしている。

 「どんなに利口な犬でも、大人しくしているのはほんの数分です。短時間でできるだけいいショットを撮らねばなりません。しかも飼い主の自宅で撮ったり、屋外に仮設スタジオを組むことがほとんどなので、撮影条件は一定ではありません。デジタル撮影になってからは、照明やレンズにいちいちフィルターをセットしていたフィルム撮影の手間が省け、撮影効率が格段にアップしました。ふと気を抜いた瞬間に、犬がいい表情をしてくれることがあるので、撮影機材は機動性やスピードを重視して選んでいます」(平山氏)

photo 平山氏がこれまでに撮影した雑誌や書籍、写真集、カレンダーなど。猫や金魚を撮ることもあるが、現在は犬の撮影が最も多いという。作品としての撮影は行わず、依頼された仕事としての撮影に専念している

 納品が急ぎの撮影ではJPEGを使用し、条件が悪いシーンなど危険度がある場合にはRAWモードを使用するという。愛用デジカメはニコン「D200」と「D70」。フィルムカメラはニコン「F5」。平山氏の仕事の場合、広告関連は100%デジタルだが、雑誌社によってはまだ十分にデジタルに対応できていないケースもあるそうだ。

 「D200の連写やファインダー性能にはほぼ満足していますが、実はそれよりも低スペックのD70もいまだに現役です。D200の1020万画素だと画素数が多すぎてハンドリングが悪くなります。判型がA4の雑誌なら、610万画素でも問題はありません。RAW撮影では画素数を下げられませんから、むしろD70のRAWのほうが好都合なことが少なからずあるのです。先日、屋外広告用に巨大サイズに引き伸ばしましたが、それでも十分なクオリティでした」(平山氏)

 レンズについては、犬の撮影の7〜8割のカットを焦点距離50ミリの標準レンズ(デジタルの場合は、換算分を考慮し焦点距離35ミリ程度のレンズ)で撮っている。レンズ構成がシンプルなので、画質が優れ、スピードが速く、見え方が最も素直であることが、標準の単焦点レンズを多用する理由だ。

photo 平山氏のある日の撮影機材。これに大型ストロボやスタンド一式が加わる。カメラのホットシューに装着したのが「ラジオスレーブ」で、アダプタを付けた小型ストロボのほか、大型ストロボをワイヤレスで同調できる。右端に見えるのは露出計とカラーメーター、その下は犬をあやすためのオモチャ

 独自のこだわりは、自然光や小型ストロボではなく、犬の取材撮影でも大型ストロボで丁寧にライティングをすることだ。車のトランクには1台2灯の大型ストロボを常備し、シーンによってはそれ以上の多灯ライティングも行う。「飼い主でも撮れるような写真ではプロの仕事とはいえません。きっちりとライティングをして見栄えを高めてあげれば、ふだんとは違った犬の表情となり、結果的には飼い主や読者から喜ばれる写真になります」(平山氏)

 そのため、大型ストロボをコードレス発光させるためのラジオスレーブが欠かせない。また単体露出計やカラーメーターも必需品である。「デジタルなら後からどうにでもなるという気の緩みは禁物です。フイルムカメラでは、フィルムがちゃんと巻かれているか、フィルム交換時にゴミが入らないかといった基本的な確認作業から始まり、撮影時の露出や色設定もシビアです。それと同じくらいの緊張感をデジタルでも忘れないように心掛けています」(平山氏)

 デジタル時代のフィルムに相当するメモリカードにもこだわりがある。「動きの速い犬をRAWで連写することがありますので、スピードが高速なメディアが理想です。信頼性と高速性で昔からサンディスクのカードを愛用していますが、最新のExtreme IIIになってはさらにスピードアップし重宝しています。プロカメラマンなら誰だって、安定感があり信頼できるフィルムやプロラボ(現像所)を選びますが、それと同じ意味でメモリカードの選択も重要なポイントなのです」(平山氏)

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日