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「冷血」はいかにして生まれたか?――「カポーティ」新作DVD情報

» 2007年02月26日 08時54分 公開
[本山由樹子,ITmedia]

カポーティ コレクターズ・エディション

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 トルーマン・カポーティの最高傑作といわれる小説「冷血」はいかにして生まれたのか?その制作過程を追った重厚な人間ドラマ「カポーティ」が、コレクターズ・エディションとして3月16日にDVDリリースされる。価格は3990円。

 特典はベネット・ミラー監督と主演のフィリップ・シーモア・ホフマンのオーディオ・コメンタリーと、トルーマン・カポーティに関するドキュメンタリー、監督や出演者のコメントを交えた2種類のメイキングを収録。初回生産分には6ページの解説書が付く。

 弱冠23歳の若さで作家としてデビューし、地位も名声もほしいままにしたトルーマン・カポーティ。オードリー・ヘプバーンの代表作「ティファニーで朝食を」の原作者としても知られる彼は、1959年、カンザス州の田舎町で起きた一家4人惨殺事件に興味を持つ。

 早速、友人の女流作家ネル・ハーパー・リーを連れて現地へ飛び、捜査部長に近づき、殺害現場の写真を見せてもらうなど、事件の全容に近づいていく。

 そんな中、犯人逮捕の知らせが届く。犯人の1人、ペリー・スミスに不思議な魅力を感じたカポーティは、犯人が怪物ではないということを世間に知らせたいと説得し、ペリーのノートを手に入れる。取材を進め、面会を重ねるうちに、互いに不遇な子供時代を過ごしたと知った彼らに奇妙な友情が芽生え始める……。

 保守的な風潮の中にあって、ゲイであることをカミングアウトし、機知に富んだ話術で人々を魅了。時にはゴシップネタをタブロイド紙に提供するなど話題にはことかかなかったNY文壇の寵児カポーティ。この難役に「マグノリア」「M:i:V」のフィリップ・シーモア・ホフマンが挑戦。当時の記録映像などを徹底研究し、カポーティの甲高い声やジェスチャーを見事に再現、内面まで成りきるという役者魂をみせ、第78回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。ホフマンの熱演を見るだけでも一見の価値あり。

 これが2作目の監督作となるベネット・ミラーは、ノンフィクション小説「冷血」誕生の裏側に迫りつつ、カポーティの人間像、「冷血」が作家人生に与えた影響にまで踏み込んでいる。その巧妙さは見事なもの。

 まずは小説「冷血」って何?という方は、この惨殺事件の一部始終と犯人の顛末を描き、アカデミー賞にもノミネートされた映画「冷血」(1967年)をチェックしよう。「カポーティ」との2枚組マスターピース・コレクション(5980円)が同時リリース。

関連サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/capote/(公式サイト)

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カポーティ コレクターズ・エディション
発売日 2007年3月16日
価格 3990円
発売元 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
販売元 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
スタッフ 監督:ベネット・ミラー/製作総指揮・脚本:ダン・ファターマン
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリフトン・コリンズJr.、ブルース・グリーンウッド、クリス・クーパー
上映時間 114分(本編)
製作年度 2005年
画面サイズ シネスコ・スクイーズ
ディスク仕様 片面2層
音声 (1)ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 (2)コメンタリー
特典 トルーマン・カポーティに関するドキュメンタリー/メイキング・オブ・カポーティ2種

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