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「弊社の強味はAQUOSです」──シャープの“テレパソ”は亀山が頼り割り切りのいいPCとTVの関係(1/2 ページ)

» 2007年02月28日 20時15分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 今回登場したインターネットAQUOSはTVユニットに既存のAQUOS D10シリーズ「LC-32D10」(画面サイズ32インチ)「LC-26D10」(同26インチ)「LC-20D10」(同20インチ)の3モデルと新登場のPC本体「PC-AX120S」「PC-AX80S」「PC-AX80S」「PC-AX60S」3モデルの組み合わせで構成される。TVユニットの3モデルはそれぞれ「ブラック」「レッド」「ホワイト」のカラーバリエーションが用意されているので、モデル総数は27モデルにも及ぶことになる。

 PC本体モデルの価格はオープンとされているが、実売予想価格は上位モデルのPC-AV120Sで24万円前後、以下、PC-AX80Sで17万円前後、PC-AX60Sで15万円前後と想定されている。テレビユニットと組み合わせた場合の価格は27万円から45万円の間で設定されるとシャープは説明している。

新しいインターネットAQUOSはAQUOS D10とPCの組み合わせとなる。左からLC-32D10と組み合わせた「32-Xタイプ」、LC-26D10と組み合わせた「26-Xタイプ」、LC-20D10と組み合わせた「20-Xタイプ」で、3タイプとも3色のカラーバリエーションが用意されている

 今回登場したインターネットAQUOSで利用できるTVチューナーはTV側のAQUOS D10が搭載するアナログ、デジタル(地上波、BS、110度CS)だけで、PC本体側はTVチューナーを持っていない。「AQUOSのハイビジョン映像をありのまま高画質にデジタル録画」(シャープの製品説明資料より)することを重要な特徴とする新しいインターネットAQUOSには、PCと独立して動作する「i.LINKデジタル録画ユニット」をPC本体内に内蔵する。このユニットのi.LINKインタフェースとAQUOS D10シリーズのi.LINKインタフェースをケーブルで直接接続することで、AQUOS D10シリーズが受信したデジタルコンテンツを録画ユニットに取り込んでPC本体に内蔵された「録画ユニット専用」のHDDにMPEG2-TSフォーマットで保存する。

 PC本体には録画ユニット専用のHDDが搭載される。容量はPC-AX120Sで400Gバイト、PC-AX80SとPC-AX60Sで250Gバイトとなっている。なお、録画できるのはデジタル放送の番組だけで地上アナログ番組の録画はできない。また、録画ユニット専用のHDDはPC側からは見えないようになっている。そのため、PC本体に搭載されているDVDスーパーマルチドライブを利用したムーブやバックアップもできない。

 新しいインターネットAQUOSにおいて、TVはAQUOS D10シリーズとi.LINKデジタル録画ユニットで用意している機能で利用することになる。PC側にはTV関連の機能はまったく用意されていない。OSもWindows Vista Home Basicが導入されている(シャープは購入時に導入されているOSだけをサポートすると説明しているのでユーザーによるアップグレードも不可)。予約録画の設定や視聴中にすぐ録画を開始できる「ワンタッチ録画」はTV画面に切り替えてリモコンの「番組表」「録画」ボタンを押して利用する。

 PC側とTV−録画ユニット側は完全に独立していて電源ボタンも別々に用意されている(そのため、TVだけを利用したい場合やPCだけを利用したい場合はそれぞれの電源ボタンを押す)。TVや録画した番組を視聴しているときにWebページを参照したくなったらリモコンに用意されている「PCメニュー」ボタンを押してPCの画面を呼び出し、そこから表示されるシャープオリジナルのPCメニュー画面から検索文字を入力することになる。あらかじめ登録しておいたWebページにアクセスする場合はPCメニューからさらに関係する項目を選択してそれから目的のWebページを選ぶ。TVの画面とPCの画面を混在させることはそれぞれが独立して動作している新しいインターネットAQUOSではできない。

 なお、PCメニュー画面には、さまざまなカテゴリーのWebサイトやデータリストにアクセスできる項目が用意されているが、このリストはサーバ側に用意されているためネットワークにアクセスしないと利用できない。また、サーバ側のデータは変更されることがあるため、ユーザーが利用できるWebサイトやデータが変更される可能性があるとシャープの担当者は説明している。

 従来のインターネットAQUOSにはワイヤレス接続のキーボードとTVとPCを操作するリモコンが付属していたが、新しいインターネットAQUOSでは、キーボードこそ従来と同じものだが、リモコンは新しく開発されたユニットに変更された。従来のリモコンには操作用のボタンが61個もついていたが、新しいリモコンのボタン38個に削減されボタンのサイズも大きくなるなど操作性の向上が図られている。リモコンの中央にタッチパドを設けたのも大きな変更点だ。PC画面においてはポインティングデバイスとして機能してTV画面ではこれまでの十字キーの機能を実現する。PC画面で利用しているときにはリモコンで文字入力が容易にできるように、PC側に携帯電話のように文字入力ができるユーティリティを導入、また、リモコンのタッチパッドを使って手書き入力もある程度対応できるとシャープでは説明している。

PC本体のデザインは従来のモデルから一転して省スペースPCに近い形状になった。キーボードは従来のトラックボールつきのワイヤレスモデルだが、リモコンは大きくデザインと機能を変更している
正面には光学ドライブとメディアスロットなどのインタフェースが用意された。従来スロットインだった光学ドライブはトレイ式に変更された
カバーを開くとSDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャーカード兼用のスロットとUSB 2.0、IEEE 1394などにアクセスできる

リモコンは操作を容易にさせるためにボタンの数を40%削減した。中央のタッチパットはPCではポインティングデバイスに、TVでは十字キーの役割を担う。TVとPCそれぞれに電源ボタンが用意されていたり、PCメニュー、TVボタンがそれぞれ分離しているインターネットAQUOSの特徴を示している
PCとして利用しているときに、リモコンのテンキーを使って携帯電話のように文字入力ができるように、「携帯方式文字入力ソフト(予測変換対応版)」がインストールされている
本体背面には、AQUOS D10シリーズと本体に内蔵されたi.LINKデジタル録画ユニットを接続するインタフェースや、制御用のシリアルなど特殊なものが配置されている。相変わらずHDMIは搭載しないがDVI-IがHDCPに対応している

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