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Special2007年03月01日 00時00分 更新
レビュー:奥行きのある“リアルな音場感”――高品質ブックシェルフ「ヤマハ Soavo-2」 (2/2)シャープな音像、奥行きのあるリアルな音場感さて、その音質だが、サウンドキャラクターそのものはSoavo-1の延長線上にあるが、音像の明瞭度、音の立ち上がりの速さ、楽器のひとつひとつ、ボーカルが発するひとつひとつの音の表情を明快に描き分ける解像力など、あらゆる面でSoavo-1とは別次元の仕上がりだ。 Soavo-1も、ボビンコイル部をダイアフラムと一体成形した独自設計のアルミドームツイータが備える低歪みかつ分解能の高い音とボーカル帯域の表現力の豊かさが魅力だったが、Soavo-2と比較すると音像表現はややソフト。Soavo-2の音像はもっとシャープで、鋭利な刃物を思わせる鋭さがある。 これはユニット数の減少や筐体サイズの小ささ(=剛性の高さ)もあるだろうが、やはり新開発のミッドウーファーが持つ分解能の高さと鋭い立ち上がりのスピードが効いているのだろう。 試聴したアーロン・ネヴィル「Nature Boy」に収められたSummer Timeでは、彼独特の声帯の震えが見えるような唱法がより明確に聴き取れた。ピアノソロでは細かなタッチの違い、ペダルワークによる表現の違いが目に見えるようだ。 ではピュアオーディオ用スピーカーにありがちな、“シャープさを演出した”音かと言えば、決してそのようなことはない。あくまでもソース機材やアンプ、それにケーブル類の持つカラーを引き出した結果であり、Soavo-2自身に強い色付けはされていない。その証拠にインターコネクトケーブルを変更してみると、見事にケーブルブランドごとの音色が引き出される。 低域の量感ではSoavo-1に及ばないものの、オーディオをより深く楽しむには、Soavo-2の明瞭かつ色付けが少なく解像度の高い音の方が楽しめるだろう。最低域の再現は難しいものの、たとえばウッドベースが消えてしまうように弱々しくなるといったことはなく、音楽を楽しむために必要な低域は出てくる。その上で中域から上の帯域における良さを2ウェイブックシェルフというフォームファクタで実現しているのがこの製品だ。 ![]() Soavoシリーズは、ここ数年のヤマハ製AV向けスピーカーとは全く別の視点で、異なる性格付けの製品として考えなければ選択を誤る。音場のボリューム感や迫力ではなく、本質的な音の質感を表現するためのスピーカーがSoavoシリーズであり、AV向けシリーズとは全く別の製品と考えた方がいい。このことは、実はSoavo-1、Soavo-2だけではなく、Soavo-1と同時期に発売されたサブウーファー・システム「Soavo-900SW」にも言える。 たとえばフルオーケストラやパイプオルガンなどでは物足りなくなる最低域の表現力は、Soavo-2にSoavo-900SWをマッチさせるといい。このサブウーファーを別途評価した経験があるが、従来のヤマハ製サブウーファーとは異なり、量感よりも質感、すなわち低域成分の中にも含まれている音源そのものの素材感を引き出せるサブウーファーだ。 従来のサブウーファー「YST-SW1500」などのイメージ(質感よりも量感、空気を揺らすことによる迫力を重視)により、正当な評価が得られていないように見受けられるSoavo-900SWだが、Soavo-2と組み合わせることで、両製品の良さが初めて生かされるように思う。 Soavoシリーズを見渡したとき、Soavo-1とSoavo-2は“上下関係”にあると考える人も多いだろうが、これは間違いだ。多少の価格差はあるが、両製品はいずれもシリーズのトップモデルであり、好みによって選ぶべきであると申し添えておきたい。その根底にあるコンセプト、サウンドキャラクターは共通だが、それぞれにフォームファクタごとの長所を引き出した結果、2つのフラッグシップが生まれたという関係だ。 ひとつひとつの音が持つ素材感、演奏者、歌手の細やかな表現を、より解析的に楽しみたいのであれば、Soavo-2は実に“お買い得”と言える製品である。高品質の2ウェイブックシェルフには、世界中に数々の名機があるが、その中にあってSoavo-2の輝きは決して見劣ることがない。 関連記事
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