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シャープ、Blu-ray2層ディスクの6倍速記録に対応した半導体レーザーを出荷

» 2007年03月14日 19時55分 公開
[ITmedia]

 シャープは3月14日、Blu-rayやHD DVDの2層ディスクに4〜6倍速の記録が行える青紫色半導体レーザー「GH04P21A2G」を発表した。4月2日にサンプル出荷を開始。5月から量産出荷を行う。

photo 「GH04P21A2G」

 Blu-rayレコーダーなどの光ピックアップに使用する半導体レーザーデバイス。業界最高水準となる210ミリワットの出力と約1万時間の製品寿命を達成した。「2007年末に出てくるであろう、2層2〜6倍速記録の(BDレコーダーなどの)製品に合わせたもの。来年以降は、さらなる多層化、高速化を進める」(シャープ電子部品事業本部の大塚尚孝副本部長)。

photo 技術的なポイント

 技術的なポイントは、独自のチップ構造と端面コート設計。窒素ガリウム基板上に良質な結晶を成長させる技術により、長寿命化とともに、発生したレーザー光が上下方向に漏れることを防いだ。また左右および前後方向は、リッジ(畝)や端面を形成して光の漏れを遮断。端面には増幅を行わせる役割もある。「マイクロメートルオーダーの1点から210ミリワットのレーザーを照射するには、強い端面が必要」(同氏)。

photo デモンストレーションの様子

 同社では、2007年の青紫色半導体レーザーの市場規模を1730万個と予想しており、このうちプレーヤー用の低出力タイプが1650万個、レコーダー向けの高出力タイプは80万個と「どちらも前年比5〜6倍と大きく伸張する」。このため、数十億円規模の投資により生産ラインを増強。現在の月産25万個を、2007年第3四半期には50万個にまで拡大する方針だ。

 一方、さらなる高出力化に向けた技術開発も進める。既にラボレベルでは350ミリワット出力のレーザーを開発済み。市場のニーズに沿った形で、2008年には2層ディスク8倍速書き込み(230ミリ〜250ミリワット)、2009年には2層ディスク12倍速書き込み(290ミリ〜350ミリワット)に対応する製品を投入する構えだ。

photo 青紫色レーザーの高出力化ロードマップ

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