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ラジオサーバー「VJ-10」は本当に「サーバー」かレビュー(2/3 ページ)

» 2007年03月23日 01時42分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

ラジオを聴き、録音するのはお手の物

 VJ-10には地域を指定するだけで自動的に受信可能なラジオ局をスキャン、プリセットに登録する自動登録機能がある。小出力のコミュニティFM放送もきちんと登録、表示されており、網羅率は高いようだ。もちろん、手動で登録することもできる。

 テレビアンテナをFMアンテナ端子に接続すればよりクリアなFM放送が楽しめるが、テレビをCATVで受信している場合には注意が必要だ。CATVでは本来の周波数と異なる周波数でFM放送を再送信している例もあり、その場合には意図しないラジオ局名が登録されてしまうことがある。必ず登録名が正しいかどうか確認をしておこう。

photophoto 地域の設定は東京23区の場合、関東>東京>東京と3段階で登録する。かなり細かい(左)ラジオ聴取中の画面。現在受信しているラジオ局名の他、録音する際の音質、保存先フォルダが表示されている(右)

 ラジオの聴取中に録音ボタンを押すとWMA形式での録音が開始される。実際に録音が開始されるまでには1秒ほどのタイムラグがあるが、これは許容範囲だろう。録音設定はあらかじめAM/FM/ラインごとに保存された設定内容が使用される。設定できるのは音質(32/64/128kpbs、いずれも形式はWMA)、保存先フォルダの2つ。ファイル名は自動的に「ラジオ局名_yymmddhhmm.WMA」という形式でつけられる。たとえば2007年3月16日14:00にNHK FMの録音を開始した場合は、「NHK-FM_0703161400.WMA」となる。

 録音中にメニューボタンを押すと何分後に録音を停止するかを指定することができるので、録音したままその場を離れても問題ない。音量をゼロ(ミュート)にしても録音は正常に行われる。

 おそらく最もよく使用されるだろう予約録音は20件まで設定可能だ。各予約ごとにラジオ局、時間、曜日ごとの繰り返し、音質、保存先が指定できる。予約名は初期状態では予約01〜予約20になっているが、ここは編集可能なので、番組名などを入れておくとよいだろう。なお、録音時間帯が重複していた場合は予約を設定する時点でエラーとなる。

photo 録音ファイルのプロパティ。タイトルに局名、アーティストに予約名が入る。

やや苦戦か?ファイルの再生・操作

 お手軽なラジオの再生と録音機能に比べ、録音ファイルを再生するのは少々面倒だ。まず、録音ファイルの検索を行い、再生したいファイルを探すという手順が必要になる。

 検索と言っても対象を指定してファイルを一覧表示する、というもので、フィルタリングや並び替え程度だ。すべてのファイル(HDD内ファイルの全表示)、フォルダ検索(サブフォルダも含めて指定フォルダ以下のファイルを表示)、チャンネル検索(ラジオ局を指定して表示)、最近録音したファイル(録音日時順に表示)、未再生のファイル(未再生ファイルが先頭にくるように表示)から選択する。

 このうち「チャンネル検索」「最近録音したファイル」はVJ-10で録音したものだけが有効で、ファイルをコピーした場合のコピー先ファイル、PCからコピーしたファイルなどは表示されない。

 再生中に再生ボタンを押すとその度に早聞き再生、遅聞き再生、通常再生に切り替わる。早聞きは1.25〜2倍速、遅聞きは0.5〜0.875倍から設定することができる。ニュースなどを短時間で聞きたいときや、語学勉強、耳コピ、高齢者の方などに重宝される機能だろう。もちろん速度を変更してもピッチは変わらない。

photo ファイル再生中の画面。タイトル、アーティストはプロパティ(タグ)のものが使用される

 そのほか、1ファイルに16か所までインデックスをつけ、早送り、早戻しボタンを使って素早く指定位置に移動することができる。VJ-10上ではファイルの分割などの編集ができないので意外と活用するシーンは多いかもしれない。

 ファイルの操作は情報表示、コピー、移動、ファイル名変更、削除など一般的なもののほか、消去ロック、ファイルの並べ替えができる。これらは録音検索の結果のファイル一覧画面でメニューボタンをクリックして行う。

 一方、フォルダの削除、フォルダ名の変更は録音検索で「フォルダ検索」を選択し、フォルダの一覧が表示されている状態でメニューボタンをクリックして行う。ファイルを検索するための操作の一過程でしか、フォルダの操作ができないのはちょっと違和感がある。

 ほかにも制限はある。フォルダ名やファイル名を入力する際に半角文字が使えないのもそのひとつ。また、ファイル名の一部だけを書きかえるということもできず、1文字ずつ末尾から削除して修正しなくてはならない。そのため、録音時に「NHK-FM_0703180400.WMA」と自動的につけられたファイル名のうち、先頭部分だけを「NHK_0703180400.WMA」のように修正することは不可能だ(1文字ずつ入力すればその限りではない)。

 日本語の入力はかなを選んで入力し、「変換」を選択するオーソドックスなもの。使用するキーは移動ボタンの4つとOKボタンで、変換キーが独立して用意されているわけではない。かな選択時と同様にカーソルを移動して「変換」を選択するのだが、これがかなり使いづらい。文字列の入力はあくまでおまけ程度に考えた方がよいだろう。

 フォルダ操作も含め、録音したファイルに手を加えるのは、PCに接続してエクスプローラなどから修正するのが本来なのかもしれない。ただし、本体以外でファイル名を修正した場合、録音検索の「チャンネル検索」「最近録音したファイル」ではファイルが表示されなくなってしまう。

photophoto 倍速の値はあらかじめ設定しておく。再生中に再生ボタンを押すことであらかじめ設定しておいた倍速に切りかえる(左)、ファイル名入力時に半角文字は使えない(表示は可能)(右)

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