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インタビュー2007年04月06日 17時22分 更新
“大人”がピュアオーディオに興味を持つ理由手軽な圧縮音楽ではなく、迫力のサラウンドでもない。最近、2chのピュアオーディオ機器が人気を集めているという。その背景について、“大人のための試聴会”を主催するヤマハに話を聞いた。最近、2chのピュアオーディオ機器が売れている。ハイエンドオーディオ市場の活況にくわえ、30代・40代の“大人”を中心に手頃な価格帯の2chオーディオ機器にも人気が波及しているという。 手軽な圧縮音楽ではなく、迫力のサラウンドでもない――この時期に2chのオーディオ機器が人気を集めている理由はなにか。4月から“大人のための試聴会”を開催するヤマハに話を聞いた。
ヤマハ広報室の堀氏。大人のための試聴会では進行役兼講師を務める――最近、2chオーディオが人気と聞きますが、オーディオメーカーとして、それを実感することはありますか? 堀氏: JEITAから毎年オーディオ機器の出荷統計が出ていますが、各カテゴリの販売が落ち込む中、スピーカーは一昨年くらいから上昇しています。また去年はプリメインアンプが増えました。出荷金額ではAVアンプの方が上ですが、数量はプリメインアンプのほうが多くなっているのです。2chの世界にお客が帰ってきているのかな、と感じています。 販売店と話をしても、ホームシアター中心のお店は苦しい状況だと聞きますが、昔からピュアオーディオを扱っているお店は好調のようですね。たとえば、秋葉原の「テレオン」さんは国内製品を中心に扱っているお店ですが、いわゆるマニア向けではない中級クラス――10〜20万円程度の製品がよく売れているそうです。多少なりとも音にコダワリを持っているユーザーが増え、その思いが数字に現れているのではないでしょうか。 その下のエントリークラスでも、プリメインアンプやCDプレーヤーの専用機が好調と聞きます。メーカーも、ちょうどその価格帯のもの――30代、40代が手を出しやすいものを出していますね。
メーカー各社も呼応するように製品を投入している。たとえば日本ビクターは得意のウッドコーンスピーカーをセットにした“大人向け”オーディオ「ETERNO」(エテルノ)シリーズを発売。マランツはB&W製スピーカーをセットした「Music Dialog」をリリースした。ターゲットは「音が出るだけでは満足できないけれど、マニアといえるほどでは」というユーザー。微妙な言い回しに、現在の2chオーディオ人気の背景が見え隠れする――音楽ソフトのほうにも動きはあるのでしょうか。
のだめと千秋先輩を見守り続けた「Soavo-1」堀氏: 昨年は、テレビドラマの「のだめカンタービレ」が人気を集め、東芝EMIが発売した「のだめカンタービレ」のCDをはじめ、クラシックのソフトがヒットしました。ヤマハはテレビドラマを全面的にサポートしており、劇中で使われた楽器や音響機器を提供しました。たとえば千秋先輩の部屋には「Soavo-1」が置かれていて、当時は“千秋先輩の部屋にあるスピーカーがほしい”という指名買いや問い合わせも多かったようです。 一方、ジャズもかつての名盤が復刻されて好調のようです。こうしたソフトが売れ始めたということは、昔、レコードで音楽を聞いていた世代が帰ってきたのか、あるいは団塊ジュニア世代がリビングルームでゆっくり音楽を聴き、癒されたいと思っているのではないでしょうか。オーディオは絵(画面)がない分、イメージかき立てられます。ストレスを解消するリラクゼーション効果があるのでしょう。 ――“大人のための試聴会”は、良い音を求める“大人”のためのイベントということですね。とはいえ、良い音に興味はあっても、思うようにオーディオ機器を買うことが難しい「お父さん世代」だと思いますが、どのような試聴会になるのでしょう。 堀氏: さきほど紹介した「Soavo-1」は、ヤマハが13年ぶりに出したピュアオーディオ用スピーカーです。もちろんスタジオ用スピーカーなどはありましたが、1本10万円を超えるHi-Fiスピーカーは1993年の「NS-7」が最後で、今ではヤマハがスピーカーメーカーであることを知らない人たちも多い。 もともとヤマハがスピーカーを始めたのは、電子楽器「エレクトーン」で“いかに自然な音を出すか”素材から研究したことがきっかけでした。楽器メーカーとして良い楽器を提供するのはもちろんですが、演奏されたものを再び良い音で聞いてもらうための装置がオーディオ機器でしょう。昔に立ち返り、ヤマハの“ナチュラルサウンド”を伝えていきたいと考えたのがきっかけです。 「大人のための試聴会」では、「Soavo-2」やクリプシュ製スピーカーを使い、ジャズやクラシックなど、アコースティック系の楽曲を中心に聴いてもらいたいと考えています。初回は「Soavo-2で聴くヤマハ・ナチュラルサウンドの世界 」と題して、「Soavo-2」とサブウーファーシステムの「Soavo-900SW」を組み合わせた音を聴いてもらおうと考えています。 また、単なる試聴会ではなく、オーディオ機器のセッティングに関するノウハウや“使いこなし”を交えていきたいですね。たとえば、スピーカーを設置する間隔や角度、壁との位置関係など、わかっているようで意外と知らないことも多い。あるいは、何か1つを変えて“音の変化を体感してもらう”実験も面白そうですね。 会場は、泉岳寺にあるヤマハのスタジオです。メーカーのスタジオというのは、もともとオーディオ機器のアラ探しをする場所ですから、とてもタイトでデッドな空間。良い音を聴く場所として適しているかどうかは別にして、何かを変えた時に“音の振る舞い”が変化する様子が判りやすい。また、スタジオで音楽を聴く機会は少ないので、貴重な体験になると思います。 ![]() 今回は、スペースの制約もあって定員が1回8名と少人数です。同じテーマで3回ずつ開催する予定ですが、プログラムはあってないようなもの。来ていただいた方々と対話型で進めていきたいです。その都度、お客さんの要望に応えられるスタイルにしたいので、気軽に応募していただきたいです。 ――1回8名というのは確かに少ないですね。どのような方々を想定しているのでしょう。 堀氏: 年齢で切りたくはないのですが、できれば若い世代の方々――いわゆるオーディオマニアではない人たちに参加してほしいですね。 ――営業的には、マニア層に訴えるほうが効果的のように思えますが? 堀氏: 確かにその通りです。しかし、新しい世代にオーディオの楽しさを知らせていくのもメーカーの役割でしょう。団塊の世代は、子育てなどを経て、いずれオーディオの世界に戻ってくるのはわかっていますが、次の世代を育てていくのは業界全体の責務です。オーディオメーカー各社が視聴室などを使い、定期的に視聴会を実施してますし、ヤマハもその一翼を担うつもりです。 ミニコンポなどで育ち、今は圧縮音楽を聞いている人たちに“良い音”を聴いてほしい。それが音楽業界の活性化につながると考えています。
「Soavo-2で聴くヤマハ・ナチュラルサウンドの世界 」
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