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HDMIコントロールは“アイデア勝負”――松下「VIERAリンク ver.2」(2/2 ページ)

» 2007年04月13日 12時02分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 HDDを待機状態にして録画時のレスポンスを向上させる手法は、シャープ「AQUOSレコーダー」の「クイック起動」と同様のアプローチだ。ただし、AQUOSレコーダーが同機能をオンにすると常時待機モードになるのに対し、新DIGAでは「VIERAの電源が入っているときだけ」HDDを待機モードにする点が異なる。もちろん、VIERAの電源が入ったことをDIGAに教えるのもHDMIのコントロール信号だ。

 「HDDがある程度回転している待機モードでは、毎時40ワット程度の電力を消費しますが、電源オフ状態は10ワット程度(いわゆる待機電力)と差が大きい。省エネとレスポンスの良さを両立させ、機器の一体感をさらに向上させる“1つのアイデア”ですね」(助川氏)。

photophoto 電力計で確認中。待機モード(左)と通常の電源オン状態(右)

 なお、同機能は「レスポンスよりも省エネ優先」のニーズもあるため、デフォルト設定はオフになっている点に注意したい。設定画面の「ビエラリンク録画待機」をオンにすると使用可能になる。

photo 設定画面の「ビエラリンク録画待機」。出荷状態ではオフになっている

アイデアで勝負

 VIERAリンクにバージョンナンバーが付いたことで、継続的な進化を期待できる段階になったHDMIコントロール機能。一方、録画機能との連携という意味では、日立「Wooo」や東芝「REGZA」(Hシリーズ)のように、HDDを内蔵してより密接な関係を作り上げた液晶テレビもある。しかし、松下では「最終的にメディアに書き出せるという安心感を重視したい」というスタンスのようだ。

 「VIERAリンクを使い、内蔵HDDとほぼ変わらない感覚で録画を開始できるようになった。テレビにHDDを内蔵するよりはむしろ、さらにテレビとレコーダーをシームレスに使える方法を探りたい」(助川氏)。

 では、VIERAリンクはどのように進化していくのだろうか。助川氏は将来の展開について具体例を挙げることはなかったが、2つの方向性を示してくれた。

 1つは、繋がる機器を増やしていくこと。もう1つは、ユーザーインタフェースの改善だ。「VIERAリンクでは、テレビのリモコンを使うことが前提になっていますが、実際にはDIGAのリモコンを使ったほうが早い場面がいくつもあります」(同氏)。

 たとえばVIERAのリモコンには「録画」ボタンや一部の特殊再生機能など、録画/再生時によく使うボタンが存在しない、あるいはカバーの下に隠れていたりする。また、録画予約のシーンなどを考えると、VIERAでメニューを起動するより、DIGAのリモコンに持ち替えて「番組表」ボタンを押した方が早いケースもある。つまり、ユーザーは目的に応じてリモコンを使い分ける状況から脱したとは言えない。

 「現時点でかなりの操作が可能になっていますが、細かい部分をブラッシュアップしていきたいですね。あとはアイデア勝負。ver.2の高速起動や設定情報伝送もそうですが、ユーザーの使い勝手を考え、どれだけ多くのアイデアを出せるかが課題になります。VIERAリンクには、まだまだ発展の余地があります」(助川氏)。

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