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カメラ好きにはたまらないハイエンド広角デジカメ――リコー「Caplio GX100」レビュー(4/6 ページ)

» 2007年04月27日 14時11分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 グリップ部のダイヤルと、ADJ.ボタンを兼ねたレバーの組み合わせで各種操作が可能だ。また上面に機能割り当てが可能なfnボタンも配置された。

ADJ.レバーを押すと表示されるADJ.メニュー。その内容はカスタマイズ可能だ。これはISO感度。ISO感度の上限を自分で設定できるAUTO-HIモードが追加された
ADJ.レバーで表示される内容を4つまで好きに指定できる(左)、上面のFnボタンに割り当てる機能を選ぶことができる(右)

 ADJ.機能とFnボタンで合計5つの機能を割り当てられるので、露出補正やホワイトバランスなどよく使う機能を割り当ててやるといい。指が慣れれば、グリップしたままさっと露出補正、ホワイトバランス、ISO感度などを変更できるようになるだろう。

シーンモードに用意されているシーンはCaplio風

 上面のモードダイヤルには好きな設定を割り当てられるマイセッティング1と2が追加された。さらにシーンモードにはCaplio風にポートレートや風景などが追加されている(ただし、「Caplio R6」(レビュー)で採用された顔認識機能はない)。

底面にバッテリーとSDメモリーカード。バッテリーはGR Digitalのものと同じ。三脚に付けていると、バッテリーもSDメモリーカードも交換できないのは残念

 メディアはSDメモリーカードでSDHC対応。バッテリーはGR Digitalと同じリチウムイオン充電池(CIPA規格で約380枚と持ちもよい)で、単四形電池2本での駆動も可能だ。

凝った撮影をしたい写真好きにお勧め

 実際に使ってみると、結構きびきびと動作するし、グリップもしやすい。しっかり構えたいときはEVFをつけると意外に自然に構えられる。ちょっと上に飛び出る分、いい位置になるのだろう。これは意外な発見。

 写りもやや暗部のざらつきやAWBの精度が気になるが、リコーらしいシャープさ。特に光の条件がいいとハイコントラストのキリッとしたいい描写を見せてくれる。

 グリップ部のダイヤルのおかげで絞りやシャッタースピードのセット、マニュアル露出時の設定もすぐ行えるため、凝った撮影にも対処してくれる。あとはADJ.レバーを倒すだけで露出補正が働くようにできればもっとうれしかったか。

 絞り優先AE時にズーミングを行うと、絞り値が勝手に変わってしまうなど気になる点はあったが、コンパクトデジカメとしてはすぐれた操作性だ。

 同クラスのCCDを使ったハイエンド機としては、キヤノンの「Powershot G7」があるが、キヤノンにはこってりした記憶色っぽい色の豊かさがあり、リコーはやや硬めだがディテールの描写にメリハリがあって、しゃきっとした絵を出すかわりに色はナチュラル系。絵作りにこだわる人はその辺の差を気にした方がいいだろう。

 ただ、GX100にはRAWとJPEGの同時記録機能があるので、これを使えば自分好みの絵作りも可能だ。RAWデータはDNGなのでAdobe系のソフトで現像できる。

 価格は実売平均で7万円台後半とコンパクトとしては高めだが(低価格一眼レフが買えてしまう値段だ)、ハイエンドらしい質感、24〜72ミリの超広角系ズームで厚さ25ミリというスリムさ、リコーらしい描写力を考えれば、5万円以下のモデルとはワンランク違う質感や写りを楽しめる。

 90度傾くユニークなEVFやスクエアフォーマット、超強力なマクロなどを組み合わせてGX100ならではの写真が撮れる強い個性は魅力的。

 子供を撮りたいファミリーより、写真好きで、旅行スナップや日々の撮影散歩、凝った趣味の撮影を行いたい道楽人。そんな人向けスリムハイエンド広角デジカメとしてイチオシである。買ったら毎日持ち歩きたくなるに違いない。

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