本体は缶と氷を入れる収納部と、電池とモーターが内蔵されているギアボックス、そして蓋と仕切り板の4点からなるシンプルな構成だ。最初に缶を入れて、ギアボックスのモーターから伸びる吸盤に付ける。そのあと、缶の上に氷を置いていく。冷やせる缶のタイプは350ml缶と500ml缶の2種類で、350ml缶の場合は仕切り板を使って収納部を短く区切る。
缶と氷をセットしたら、あとはスイッチを押すだけだ。スイッチは一回押せばモーターが回転して、もう一回押せば切れるという単純なもので、タイマー機能などは無い。だからときどき蓋を開けて、冷え具合を確かめながらモーターを回していく必要がある。まあ外気温にも左右されるだろうし、ビールの温度というのは個人によって何度がベストかはまちまちだろうから、このような単純な仕組みでもいいのかもしれない。パッケージの説明を読み直しても、何分間動かせばいいのか、目安などは一切書かれていなかった。
試しに自分でやってみると、だいたい1分30秒くらい回せば飲み頃になった。冷凍庫で冷やすにしても、こんな短時間で冷やすことはまず無理だ。それを考えれば、十分実用的だと言えるだろう。ただし、缶を取り出すときにいちいち吸盤から外さなければならず、この点は少し面倒だ。また、モーターでグルグル回すということで泡が吹きこぼれないか心配したが、実際にビールの中身を開けてみたところ、ほとんど問題はなかった。円柱の中心を軸にスムーズに回しているので、縦方向に激しくシェイクしたときのような吹きこぼれ方はしないようだ。
ちなみにこの商品には「手動式カンキューレ」という姉妹品があって、こちらは電源を使わないでハンドルを手で回す方式だ。手動式の方が値段は電動式よりも安いし、機構がシンプルなだけに壊れにくいだろう。どちらを選ぶかは自由だが、個人的にはやはり電動式を押したい。ビールを飲む瞬間というのは、一日の中で神聖な時間である。そんな至福の時間を過ごす前に、あくせくとハンドルを回す労働は避けたいものだ。
もちろんこの商品はビールだけでなく、一般的な350ml缶と500ml缶の缶飲料ならなんでも冷やせる。実際に試してみたが、氷の配置を工夫すれば缶コーヒーなどの小さな缶も使用可能だ(ただし自己責任で)。
もし頻繁に使うのであれば、氷を入れたままギアボックスを外して、収納部だけ冷凍庫に保存しておくという手もある。そして使うときだけギアボックスを取り付けて動かせばいい。このようにいつでも使えるような状態にしておけば、冷蔵庫に何本も缶飲料をストックしておく必要が無くなるので、冷蔵庫の中身を減らすことも可能だ。そうすれば電気代が安くなるので、環境にも優しい。こう考えると、なかなか有意義な買い物と言えるのではないだろうか。次第に暑くなってくるこれからの季節、「電動式カンキューレ」を使ってぜひ楽しいビールライフを送っていただきたい。
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