Zを超えた機能と映像美の秘密――開発者が語る新REGZA「H3000シリーズ」東芝REGZA開発者インタビュー(1/2 ページ)

こだわりユーザー注目の薄型テレビ「東芝 REGZA」に、ニューモデル「H3000シリーズ」が登場した。内蔵HDDやeSATA外付HDDを使った多彩な録画機能やREGZA最大の52V型など、従来のハイエンド機Z2000を超えた機能を持つ新H3000シリーズについて、REGZAシリーズの企画・開発メンバーに話を聞いた。

» 2007年05月09日 10時00分 公開
[本田雅一,PR/ITmedia]
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レビュー:磨き上げた画質と録画機能、新「REGZA」H3000シリーズを試す

大幅なアップデートを受けて発売された東芝「REGZA(レグザ)H3000シリーズ」の中でも、最大サイズとなる52V型モデルを試用した。外付けHDD用の高速インタフェースと新しい液晶パネルを得てREGZAはどう変わったのか。本田雅一がチェックする。


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 東芝の液晶テレビ「REGZA(レグザ)」シリーズがモデルチェンジを行った。同シリーズは春と秋にモデルチェンジを行うのが通例となっており、秋にハイエンドユーザー向けの最上位Zシリーズ、春にHDD内蔵の多機能型Hシリーズとシンプル機能で低価格なCシリーズをフルモデルチェンジする。

 春に発表された今回の新製品は、この流れ通りHシリーズ後継の「H3000」とCシリーズ後継の「C3000」であった。画質と機能を追求したZシリーズの後継機は今秋となるのだろうが、今回のH/Cシリーズモデルチェンジには、ひとつのサプライズが仕込まれていた。従来、常に最上位とされてきたZシリーズの上にH3000シリーズを置いたことである。カタログ上の記載もZ2000よりもH3000が上に配置されていることからも、H3000への意気込みが感じられる。

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「REGZA」とは?

ハイビジョン画質の頂点を目指して開発された“こだわりのテレビ”。優れた操作性&デザインや数々の快適機能などを搭載し、その画質とともにAV専門媒体や評論家から高い評価を受けている。

 高画質と先進機能を存分に味わいたいユーザー向けに東芝の映像技術の粋を結集したフルHDネットワークモデルの「Zシリーズ」、テレビだけで快適録画を実現する大容量HDD内蔵のフルHDレコーディングモデル「Hシリーズ」、こだわり画質を手軽に楽しめるよう機能を厳選して搭載した高画質シンプルモデル「Cシリーズ」と、ユーザーの楽しみ方で選べる3シリーズをラインアップしている。



 H3000シリーズでは、46V型と52V型という2つのモデルが追加され、Z2000と同等にフルHDパネルを37V型以上のモデルに持ってきた。

 新しいH3000シリーズについて、REGZAシリーズの企画および開発メンバーに話をうかがった。話を聞いたのは、東芝 テレビ事業部地域第三部日本担当参事の本村裕史氏、心臓部であるメタブレイン・プロを開発している東芝デジタルメディアエンジニアリング エンベデッドシステムグループの住吉肇氏、そして絵作りを担当する東芝 テレビ事業部 TV設計第一部 第二担当 参事の永井賢一氏の3人である。

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――まずはザックリとH3000シリーズの特徴を紹介していただけますか?

本村氏: ものすごく簡単に言ってしまうと、Z2000シリーズをベースにHDDを内蔵させたのがH3000です。Z2000とは異なり、LAN HDDへの録画やインターネットへのアクセスなどには対応していませんが、HDD搭載による利便性は大きな差ですよね。デザインもフルモデルチェンジし、より上質なデザインになりました。また新しいサイズの投入もトピックでしょう。

 機能的には2つ“売り”があります。ひとつは番組表で、新聞のテレビ欄に近い7つの放送局の一覧表示が可能になりました。また番組表の中に番組説明も表示させています。大変に便利な機能なのでぜひ使って欲しいです。

photophoto 「レグザ番組表・ファイン」(左)は新聞のテレビ欄並みの一覧性と詳細性で、HDD録画予約がより便利になる。「ミニ番組表」(右)は視聴中の番組に小型の番組表をオーバーレイ表示させる。裏番組をチェックする際に重宝

 もうひとつはPC接続への対応で、新たにD-Sub端子を搭載するとともに、HDMI端子の設定変更でPCとの接続に適したモードへと切り替える機能を追加しています。今回はドットバイドット表示も可能で、PC画面も滲みなく表示できます。さらに画質モードに“PCファイン”を設けて、バックライト・シャープネス処理・色再現などをPC表示向けに最適化してあります。

――REGZA全体でフルHD対応がかなり強化されてきましたね。フルHDを選ぶ場合、H3000とZ2000とで悩みそうですが。

photo 東芝 テレビ事業部地域第三部日本担当参事の本村裕史氏

本村氏: 37V型以上はどうしてもフルHDのスペックが欲しい。だから37V型以上はフルHDにしました。Zシリーズとのバランスよりも、お客様が何を求めているかで製品を作らなければ受け入れられません。

 こういう仕事をしていると知り合いに購入相談を持ちかけられることも多いのですが、これまでは画質で選ぶなら「Z」、機能で選ぶなら「H」がいいよと話していたんですが、画質も使い勝手も良い製品が欲しいと誰もが思うんですよね。当たり前です。お客様によってはZシリーズのLAN HDDも若干ハードルが高い。そこで、HDD内蔵の利便性と外付けHDDの拡張性、それにフルHDの画質を備えたテレビを作らないとお客様のニーズに応じられないだろうと。

 HDDレコーディングの利便性と高画質を両立したH3000ですが、Z2000にはZシリーズならではの点もあります。例えば、Z2000ではHDMIが3系統(H3000は2系統)搭載されていますし、AV製品との接続時に役立つ連携機能「RI EXオーディオコントロール」、WebブラウザやDLNA対応、4thメディア対応といった機能もZ2000ならではのものです。ユーザーの楽しみ方によって選べるのもREGZAの特徴です。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年6月22日