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HDMIを搭載した低価格モデル――ビクター「LT-26LC8」パーソナルサイズ液晶テレビ特集(2/2 ページ)

» 2007年05月16日 15時32分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 首を傾げてしまったのは、起動に9秒ほどの時間がかかることだ。電源ボタンを押してから5秒程度でバックライトの点灯を感じるが、そのあと4秒ほど黒い画面が続き、ようやく画面が表示されるという具合。数年前の薄型テレビなら普通だったかもしれないが、今となっては随分と遅く感じてしまう。

 地上デジタル放送の番組表は、ブラックとグレーを基調とした控えめなデザイン。左側に視聴中の画面や操作方法が表示される3局/4時間表示と、全画面を使用する6局/5時間表示が選択できる。上部にタブ状の日付が並び、横方向のキーでポンポンと日付を移動できるのは便利だ。使用頻度の高い局だけを並べておける「お気に入り番組表」やジャンル別の番組検索なども備えている。

photophotophoto 視聴中の画面や操作方法が表示される3局/4時間表示(左)と、全画面を使用する6局/5時間表示(中)
photophotophoto 番組視聴中に次の番組を確認できる(左)、使用頻度の高い局だけを並べておける「お気に入り番組表」(右)

 残念なのは、電源を切るたびに取得した番組表データが消えてしまうこと。最近のデジタルテレビでは、電源を切った状態(スタンバイ)のときにも一定時間ごとに番組表を取得していて、電源を入れたらすぐに番組表を参照できるのが普通だ。

 しかし同機の場合、起動時に参照できるのは、前回見ていた局のみ。ほかの局の情報については、チャンネルを切り替えるか、ユーザーがメニューから「番組情報取得」あるいは「全番組情報の取得更新」を指示しないとダウンロードしてこない。「全番組情報の取得更新」を行うと時間がかかり、一旦電源を切るとまた元の状態に戻ってしまう。EPGを新聞代わりに使いたい筆者にとっては、かなり歯がゆい仕様である。

 動作を見ていて気づいたのだが、どうやら同機には「スタンバイ」という概念がないようだ。また推測の域を出ないが、番組情報を蓄積しておくメモリも積んでいないのではないか。このため電源(=主電源)を切ると番組情報は失われ、起動時には当座の番組データとして視聴チャンネルの分だけダウンロードしてくる。そう考えると、起動が遅い理由も説明できる。

 なお、赤外線連動など外部レコーダーと連携する機能はなく、EPGも録画予約の機能は持たない(視聴予約機能はある)。そもそもi.Linkや外部出力端子がないため録画は不可能である。


 これまで見てきたように、「LT-26LC8」はかなり割り切った製品だ。テレビのチューナーを使ってデジタル放送を録画しようと考えている人には明らかに向かず、またEPGを新聞代わりにしたい人にも積極的にお勧めはできない。しかし、それらを踏まえた上で、手ごろな価格の薄型テレビを探している人なら話は別だろう。

 たとえばデジタルCATVが中心だったり、既にデジタルチューナー搭載レコーダーを所有していて、テレビはモニター的に利用するケース。あるいはセカンドテレビとしてとにかく低価格な薄型テレビを探しているが、画質面ではあまり妥協したくない。そうしたニーズであれば、コストパフォーマンスの高さを感じることができるだろう。

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