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“エレキのソニー”復活へ――「BRAVIA」や「サイバーショット」が好調

» 2007年05月16日 20時35分 公開
[ITmedia]
photo ソニーCFOの大根田伸行氏(左)とコーポレート・エグゼクティブSVPの湯原隆男氏

 ソニーは5月16日、2006年度の連結決算を発表した。売上高は、前年度比10.5%増の8兆2957億円。エレクトロニクスや映画分野が増益となるも、「プレイステーション3」導入にともなう損失計上などが響き、純利益は前期比2.2%増の1263億円に止まった。

 エレクトロニクス分野の売上高は、前年度比16.9%の増収。2006年に液晶テレビの金額世界シェアで1位になった「BRAVIA」をはじめ、デジタルカメラ「サイバーショット」が世界的に好調だったほか、「VAIO」は海外を中心にノートPCが伸びた。また高付加価値モデルが好調のビデオカメラ「ハンディカム」も利益を押し上げた。

 また「ダ・ヴィンチ・コード」や「007/カジノ・ロワイヤル」といったヒット作に恵まれた映画分野が前年度比29.5%の増収。また、「プレイステーション3」を投入したゲーム分野は売上高こそ6.1%伸ばした(10168億円)ものの、戦略的な価格設定やプレイステーション2の販売台数減少などにより、2323億円の営業損失を計上している(関連記事)。

 エレクトロニクス好調の理由について、同社執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏は、2年前と比較しながら「技術者の“ひとりよがり”ではなく、お客のための商品開発にマインドセットした。BRAVIA戦略を急激に立ち上げることができたのも同じ理由だ」と話す。

 同時に発表した2007年度の連結業績見通しでは、前年比6倍にあたる営業利益4400億円を予測。牽引するのはやはりエレクトロニクス分野で、液晶テレビの出荷台数は2006年度実績が630万台に対して1000万台、コンパクトデジカメは1600万台の実績に対して2000万台を見込む。なお、R&Dにおいても年末に投入する有機ELテレビや「ソニー ルームリンク」などのネットワーク関連の比重を高めるという。

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