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日立、片面200GバイトBlu-rayに向けた新技術

» 2007年05月21日 17時27分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は、光ディスクの再生出力を10倍に増幅する光学系の基本技術を開発したと発表した。2つの光の干渉を利用して再生信号を増幅する光検出法を光ディスクに応用する。同技術により、記録層の数が増えることで反射光が弱くなる多層光ディスクの課題が解決され、4〜8層で片面100〜200Gバイトの記録再生が可能なBlu-ray Discの実現が期待される。

 新技術は、信号を読み取る際に手前の記録層の妨げを受け、奥の記録層の信号光量が少なくなる従来の多層光ディスクの課題を解決するために、光の干渉を利用して検出信号を増幅する「ホモダイン検出法」を光ディスクに応用した。ホモダイン検出法は、レーザー光源からの光をあらかじめハーフミラーなどによって2系統に分け、その一方を信号で変調し、再生する際に、もう一方の変調していない光と干渉させることにより信号を増幅する技術。

 従来同様に、レーザー光源からの光を反射させディスクに照射し、光ディスクからの信号光を透過させて検出器に入射させるとともに、新技術では、レーザー光と偏光プリズムの間にレーザー光の位相を180度回転させる「1/2波長板」を設置して、偏光プリズムを透過する光をホモダイン検出法の参照光にした。この参照光をミラーで反射させ、再度偏光プリズムに通すことにより光ディスクからの信号と干渉させる。また、干渉した光を高感度で検出するために、MOなどで用いられる偏光差動検出方式を応用した。

 さらに、光ディスクの回転によって参照光と信号光の光路差が揺らぎ、安定した信号の増幅ができない問題を解決する技術も開発した。干渉光をハーフミラーで2つに分岐させたときに、一方を偏光差動検出器へ送るとともに、もう一方を「1/4波長板」で位相を90度ずらし、もう1組別に設けた偏光差動検出器へ送り、これら2つの差動信号を演算することで光路差の揺らぎを打ち消すことができる。

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