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働く人型ロボット「プロメテ Mk-II」起動出渕デザイン再び

» 2007年06月21日 16時00分 公開
[ITmedia]

 川田工業、川崎重工業、独立行政法人産業技術総合研究所は6月21日、人間型ロボット「HRP-3 Promet(プロメテ) Mk-II」を公開した。2002年の「HRP-2 Promet」に続き、「機動警察パトレイバー」などで知られる出渕裕氏がデザインと命名を担当した。

photophotophoto 全体図。手に持っているのは リボルバー・カノン 電動工具。右は遠隔操作用のコックピット

 HRP(Humanoid Robot Project)は、NEDO基盤技術研究促進事業「実環境で働く人間型ロボット基盤技術の研究開発」の一環として、川田工業への委託されたプロジェクト(産総研と川崎重工に再委託)。ほぼ2年ごとに研究成果となるロボットを発表しており、第3世代としては2005年にプロトタイプの「HRP-3P」を公開済みだ。

名称 HRP-2 Promet HRP-3P HRP-3 Promet Mk-II
身長 154センチ 160センチ 160センチ
体重(バッテリー含む) 58キロ 65キロ 68キロ
自由度(全身) 30 36 42
防滴・防塵機能
バッテリー駆動時間 連続60分 連続120分(標準歩行) 連続120分(標準歩行)
発表時期 2002年12月 2005年9月 2007年6月

 Promet Mk-IIは、HRP-3Pで実現した防塵・防滴性能や低μ路上歩行(摩擦係数0.1)性能を継承して「従来のロボットでは難しかった悪環境下でも稼働できる」(同社)。また自由度(ロボットの関節)を増すなどして、より複雑な作業に対応できるようになった。全身の自由度は、HRP-2よりも12自由度多い42自由度。電動工具の把持など手先の作業性を増すため、手首に1自由度を追加したほか、物を掴むハンド部には片腕あたり5自由度をくわえて計6自由度としている。

 操作には、ロボットの自律動作と人間による遠隔操作を組み合わせた「自律・遠隔ハイブリッド型全身動作制御」を採用した。体のバランスをとるといった人間なら無意識で行うような動作をロボットの自律制御に任せ、操縦者は目的の動作だけをリモートで指示すればいい。また、遠隔操作用のコックピットおよび簡易操作装置も同時に発表されている。

 NEDOの委託事業は5ヵ年計画のため、2007年3月に完了。HRP-3 Promet Mk-IIはその集大成といえる。「今後は本研究開発で得た基盤技術の安定化とコストダウンを図り、引き続き人間の生活を豊かにしてくれるロボットの実現を目指していく」(川田工業)。

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