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飢えに苦しむ国民に対して「だったらお菓子を食べれば?」と言い放った、悪名高きプリンセス、マリー・アントワネット。彼女の半生を綴った人間ドラマ「マリー・アントワネット」が7月19日にDVDリリースされる。映像特典は未公開シーン、ルイ16世によるヴェルサイユ宮殿ツアー、各種予告編を収録。封入特典はオリジナルあぶらとり紙。
1770年、オーストリア・ハプスブルグ家の末娘マリー・アントワネットは、14歳で隣国フランスの王太子ルイと結婚する。プライベートはいつも監視の目が光り、しかも他人の陰口を言う人ばかりで、マリーに気の休まる日などなかった。最大の悩みは、夫が自分に無関心だということ。母からも側近からも“子供を作れ、子供を作れ”と世継ぎをせかされるが、努力も空しく、セックスレスは続く。マリーはギャンブルやショッピングで、その寂しさを紛らわすようになる。4年後、ルイ15世が急逝し、若い2人は王位を継承するが……。
さすがソフィア・コッポラ監督、単なる伝記映画にせず、フランス王妃をフツーの女の子として捉え、青春映画として成立させた。主演は「スパイダーマン」シリーズのキルスティン・ダンスト。監督とは「ヴァージン・スーサイズ」以来2度目のコンビとなる。
今も昔も女子のストレス発散といえば、ショッピングとスウィーツと決まっている。見た目にも可愛いマカロンやシャンパン、うっとりするようなパステル・カラーのドレスにきらびやかな宝石、夜通しのパーティーにハンサムな男の子。女子の憧れと夢が詰まったような映画である。
フランス政府の特別許可を得たという、ヴェルサイユ宮殿での撮影も話題になった。マリーの寝室からバルコニー、実際に挙式が行われた聖堂の他、「平和の間」「ヘラクレスの間」など、普段立ち入り禁止になっている部屋を含め、宮殿内部の映像もかなり貴重なものだ。
音楽もコッポラのセンスが光る。スージー&ザ・バンシーズ、ニュー・オーダー、ザ・キュアなど、80年代ニューウェーブの名曲をセレクトし、それが18世紀の雰囲気と絶妙にマッチしているから不思議。
考えてみれば、わずか14歳で政略結婚させられ、選択肢もなく孤独に生きるしかなかったマリーに国民の苦しみを分かれといってもムリな話だよな、なんて思ったりもする。それでも、気高くあろうとする彼女の姿は切なくも愛おしい。
カンヌ映画祭では賛否両論あったが、日本では興収25億円のスマッシュヒットとなった。ガールズムービーの金字塔とはいえ、女の子の大好物がこれほど凝縮された作品も珍しいので、女心を研究・理解するためにも、男性も見逃せないのでは!?
関連サイト:http://www.ma-movie.jp/(公式サイト)
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