レビュー
2007年06月29日 08時25分 更新

レビュー:

「高音質配信」は本当に“いい音”か?――e-onkyo music編 (1/2)

前回iTunes Plusの高い実力を試聴テストで確認できたが、今回はさらにその上を行く高音質をアピールする音楽配信、e-onkyo musicについて試してみる。

オンキヨーの高音質配信はCDを超えた!?

photo e-onkyo music

 前回に続き、今回はオンキヨーの高音質配信「e-onkyo music」のサウンドクオリティをチェックする。e-onkyo musicはスタンダードに位置する44.1kHz/16bitと、高音質をうたう96kHz/24bitの2つが用意されており、どちらもコーデックにはWMA losslessが採用されている。

 ナップスターなど同じWMAを扱う音楽配信サイトでも、ほとんどが128kbpsないし192kbpsに圧縮されているが、その数倍のファイルサイズとなりながらもロスレスで展開しているのは、いまのところe-onkyo musicだけだ。これは96kHz/24bitの高音質配信だけでなく、スタンダードの44.1kHz/16bitにも大いに期待が持てそう。ということで、まずは44.1kHz/16bitの曲から比較を始めた。

 使用した曲はメゾ・ソプラノ歌手、キャサリン・ジェンキンスの「Living A Dream 」1曲目「アモーレ・セイ・トゥ〜オールウェイズ・ラヴ・ユー」。こちらは映画「ボディガード」のテーマ曲をイタリア語で歌ったもので、発売された昨年、メゾ・ソプラノならではの声の奥深さで話題となった曲だ。比較したファイルは、e-onkyo musicの44.1kHz/16bit WMA losslessとiTunes(AAC 128kbps)、ナップスターが提供するWMA(192kbps)、CDから取り込んだWAVの4つ。こちらにCDを加えた5つを、ビットレートの低い順に試聴した。試聴環境は前回と同様だ。

photo iTunes Plusはスタートしたばかり、e-onkyo musicもさほど提供されている楽曲が多くないため試聴曲の選択には多少苦労した。使ったディスクは写真のノラ・ジョーンズ、キャサリン・ジェンキンス、綾戸智絵、小林研一郎指揮ベートーベン第九の4枚。キャサリン・ジェンキンス以外はCD/SACDのハイブリッド版となっている。個人的にはすべてのCDがそうなって欲しいのだが。なおキャサリン・ジェンキンスに本人のサインが入っているのはご愛敬ということで

 iTunes(AAC 128kbps)はマスターの音の良さにだいぶ救われているが、抑揚のなさや細やかな音が失われている点はいかんともし難く、BGM以上の使い方には無理があるのはノラ・ジョーンズと変わらず。意外と健闘した感があるのがナップスター(WMA 192kbps)。こちらからiTunes Plusほどのクオリティは感じられないが、デジタルオーディオプレーヤーに転送・携帯し、ヘッドフォンで楽しむならば不満はないレベル。192kbpsが音質的に満足できるボトムラインであることを過去の経験から感じていたが、今回それを再確認することとなった。

 しかしe-onkyo music(WMA lossless)を聴いたとたん、両者の音がたちまち色あせてしまった。明らかに音数が違うし、声の張りや伸びやかさもケタ違い。音が重なることで生み出されるハーモニーの美しさを、存分に堪能させてくれるようになった。この音ならば、ある程度のホームオーディオでも充分満足が得られるだろう。CDから取り込んだWAVはさらにその上をいっていたが、両者の違いはナップスター/e-onkyo musicほど大きくない。

 それよりも、CDとのクオリティ差の方が気になった。前回試聴したノラ・ジョーンズでもそうだったが、空間表現にかなりの違いが生じる。ファイルから再生すると、どうしても平坦な音になってしまうのだ。PCのプレーヤーを使い、再生も同じソフト(Windows Media Player/iTunes)で行っているので、両者にメディアとしての違い以外はほとんどないはず。やはりCDは良くできた存在というべきなのだろう。

関連キーワード

e-onkyo music | iTunes | 音楽配信 | Napster | オンキヨー


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[野村ケンジ,ITmedia]

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