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10万円以下から探す、初めてのデジタル一眼レフカメラバイヤーズガイド(1/5 ページ)

» 2007年07月04日 08時45分 公開
[小山安博,ITmedia]

 デジタル一眼レフカメラの売り上げが順調だ。

 コンパクトデジタルカメラが広く普及し、そうしたカメラを使い慣れたユーザーがよりきれいな写真を撮りたい、撮影そのものを楽しみたいと思うのは当然の心理だ。最近は、コンパクトデジカメもハイエンドに位置づけられるカメラでは、高機能かつ撮影の自由度が高い製品も多く、こうした製品に触れると、もっと自由度が高いカメラで、もっと美しく写真を撮りたくなる。

 そうしたユーザーにはぜひ、デジタル一眼レフをオススメしたい。コンパクトデジカメに比べて大きい、高い、撮影が難しいといった点は難点だが、手間や難点を補ってあまりある魅力にあふれている。

 デジタル一眼レフは、各社よりプロ向けから低価格の初心者向けまで幅広いラインアップが用意されているが、ここでは10万円以下から購入できる、デジタル一眼レフ初心者にオススメの6製品を紹介したい。

キヤノン「EOS Kiss Digital X」

photo キヤノン「EOS Kiss Digital X」

 キヤノンのデジタル一眼レフで初心者にオススメできるのは「EOS Kiss Digital X」だ。プロ向けから初心者向けまで幅広いラインアップを備えるキヤノンのデジタル一眼レフだが、実売10万円以下のエントリーモデルとなる本製品は、本体質量約510グラムと小型だが、有効1010万画素CMOS、センサーダスト対策、約0.2秒の高速起動、F2.8対応9点AFなどといった機能を搭載。

 エントリー向けながら、上位機種にも引けを取らないたくさんの機能を搭載しているのも大きな特徴だ。キヤノンは高感度撮影時の画質には特に定評があり、本製品もご多分に漏れずノイズが少ないので、高感度撮影が使いやすいのもうれしい。

 ラインアップは、ボディ単体に加え、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 II USM」とのレンズキット、さらに「EF55-200mm F4.5-5.6 II USM」を追加したダブルズームキットの3種類。EF-S18-55mmは、低価格ながら写りの良さでは定評があり、最初の1本としては悪くない。EF55-200mmは、EF-S18-55mmとの組み合わせはいいが、ちょっとレンズが暗いのが気になるところ。望遠側は、しばらく一眼レフカメラに慣れてから、どのぐらいの焦点距離が必要か見極めてから購入しても良いだろう。

 キヤノンはレンズも充実しており、純正のEFレンズも広角レンズから望遠レンズまで、多彩なレンズ群が選べる。一眼レフカメラにとって撮影の肝はレンズであり、レンズを交換しながら撮影するのが醍醐味なのだ。レンズを交換して画角の変化、描写の違いが楽しめるのはレンズ交換できるデジタル一眼レフカメラならでは。

 キヤノンであれば、純正レンズに加え、シグマ、タムロン、トキナーといったサードパーティ製のレンズも充実しているので、レンズを選ぶ楽しみが大きい。

 一眼レフカメラの場合、ボディ本体よりもレンズが高い例の方が多かったりするのだが、そのかわりにレンズは一生ものとして、本体を買い換えても長く使える。その分、中古市場も発達しており、ユーザー数が多く、出回っているレンズ数も多いキヤノンは、中古市場でいいレンズに出会える確率が高い。さらに純正レンズ、特にLレンズと呼ばれる高級レンズは下取り価格もけっこう高めというメリットもある。ただし、カメラ本体のボディ内手ブレ補正がないため、手ブレ補正付きレンズを購入すると高くつく、という点も考慮した方がいいだろう。

 全体のシステムで考えると、キヤノンは非常に完成度が高い。本製品でデジタル一眼レフに慣れて、もっと高機能のカメラが欲しくなったら、EOS 30DやEOS 5D、さらに上位クラスのEOS-1Ds Mark II、EOS-1D Mark IIIが選べるといったように、ラインアップが充実しているからだ。

 その意味でも、カメラ自体の初心者から、コンパクトデジカメからの移行組まで、誰でも安心して利用できると言えるだろう。

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