本体での編集機能は2機種とも、シーンの削除や分割、プレイリスト作成に対応と、一見すると同等の機能を用意しているように思える。ただし、実は「分割」の扱いが大きく異なり、「HDR-CX7」はオリジナルファイルの分割、「HR10」はプレイリスト上での分割を行う(ハイビジョンでなく、標準画質で記録したディスクの場合はオリジナル分割も可能)。
どちらをよしとするかは人それぞれだろうが、「HDR-CX7」では予備のメモリースティックを持たないユーザーも少なくなさそうであり、オリジナルの分割&削除で容量を空けたい局面も十分にありうる。一方、「HR10」ではそうした局面ではディスク交換で乗り切るはずなので、各々、判断としては妥当といっていいのだろう。
また、再生時の快適さに関しては前編で述べたとおりだが、「HDR-CX7」では便利な機能として「フィルムロールインデックス」と「フェイスインデックス」も搭載されている。「フィルムロールインデックス」は撮影した動画を時間間隔で区切り、インデックス一覧として見せてくれるもの。単位を3秒/6秒/12秒/1分/5分から選べることもあって、かなり実用的だ。
「フェイスインデックス」は撮影中に顔を自動認識し、インデックスを作成・表示してくれる。あくまで撮影中の処理なので、設定をオンにしておかないと働かないものの、デフォルトで「入」になっているため、特に意識する必要はない。
端子類はAV(ともに付属するのはコンポジットへの変換ケーブルのみ)、コンポーネント(D端子)、HDMI、USBと、種類や数は同じなのだが、「HDR-CX7」は本体にはHDMIミニとAV出力のコネクタが装備されているのみ。テレビへコンポーネント映像出力したり、PCとUSB接続する際には、付属のハンディカムステーションの利用が必須となる。
たいていの場合は、どちらの構成でも困らないだろうが、テレビにはHDMIではなくD端子で接続し、しかも、PCとは離れた場所にあるという環境では、必要に応じてハンディカムステーションごと移動しなければならない可能性があり、面倒に思うかもしれない。個人的には、本体にすべてが差せる「HR10」のほうが好みだ。ただ、欲を言えば、USBだけでなくHDMIもカバーの開閉が必要ない部分に配置されていると、より快適だったのだが。
ほかにも、「HDR-CX7」は内蔵マイクでの5.1ch録音に対応していたり、「HR10」は秒間24コマでのプログレッシブ撮影が可能(記録は60i)など、機能面での差は多々あるが、このあたりは両社の製品の流れをそのまま反映したものなので、特に説明は不要だろう。
では、どちらを選ぶのかとなるが、よりコンパクトでとにかく気軽に扱える「HDR-CX7」はやはり魅力的だ。機能面においても各所に“鮮度”が感じられる。ただ、実際に“じゃあ買うか”という段になって、映像にも存分にこだわれる「HR10」が気になってしまい、選択に踏み切れなくなってしまうということも大いにありえそうだ。となると、キヤノンがカード記録型AVCHDカメラを投入しないものかと、期待を抱いてしまうわけだが……。
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