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ナショナル、「気流ロボット」搭載の空気清浄機など5製品をリリースフィルター交換10年不要(1/2 ページ)

» 2007年08月06日 17時41分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ナショナルは8月6日、空気清浄機「エアーリッチ」など「nanoe」(ナノイー)搭載の空質機器5製品を発表した。エアーリッチには、空気の汚れに応じて自動的に気流を切り替える「気流ロボット」を初搭載。また風路構造の変更などにより、集塵フィルターの寿命を10年まで延ばすなどメンテナンス性も向上させた。

photophoto 空気清浄機「エアーリッチ」、加湿空気清浄機「うるおいエアーリッチ」、ハイブリッド式加湿機「FE-KXCシリーズ」の3シリーズ6製品を一挙リリース。いずれも9月1日に発売する(左)。エアーリッチはシルバーなど3色をラインアップ

 nanoeは、ナショナル(松下電工)が広島大学大学院工学研究科の奥山教授と共同開発した空気浄化技術。6000ボルトの電圧をかけて水を約18ナノメートルの“微粒子水”(nanoeイオン)にまで分裂させ、ラジカルを包み込んで部屋中に飛散させる。部屋の中に飛散したnanoeイオンは、電荷を帯びると表面積を増やそうとするRayleigh分裂現象により、ニオイの素や花粉・菌などと結びつき、その働きを抑制する(過去記事を参照)。また電気を帯びたイオンが水に包まれた状態で空気中を浮遊するため肌の皮脂成分と水分がなじみやすくなるため、最近は女性を中心に“うるおい”効果にも注目が集まっている。

photophoto nanoeの効果

 新開発の「気流ロボット」は、室内を漂うアレルゲンや埃が、その大きさによって「浮遊しやすい場所が異なる」ことに着目し、室内の状態に応じて気流を制御する技術だ。本体側面には、上部にニオイセンサー、下部にハウスダストセンサーを備えており、ニオイを検知したときは側面の吸込口から空気を吸い込みつつ、上部ルーバーが上方90度に向けてキレイな風を吹き出す。高い場所に空気を送り込むことで、室内を素早く脱臭する効果があるという。

photophoto

 一方、ハウスダストを検出すると、側面の吸気口にくわえて本体前面のルーバーが動き、低い場所を中心に気流を作り出す。これにより、床面や30センチまでの高さに漂いやすい花粉やダニの死骸などを効率的に吸引できる。「とくに花粉アレル物質は床上約30センチ近傍で浮遊することが確認されている。気流ロボットにより、前方床上30センチのハウスダスト吸引量は、従来品と比べて約2倍になった」(松下エコシステムズ、健康空質ビジネスユニット長の林勝成氏)。このとき、上部ルーバーは約60度に開いて前方に向けてキレイな風を吹き出し、部屋の下半分を中心に気流を作り出す仕組みだ。

photophoto ドライアイスや粉末を使って床上30センチの吸引力をデモンストレーション。本体前面のルーバーも動く

 本体内に2つの方向から風を吸い込むことができる「デュアルセパレートファン」も新しい機能だ。風の通る道が複数になるため、従来はフィルター中央に偏っていた汚れの付着をフィルター全体に分散することができ、集塵フィルターの寿命が延びた。「大きな埃やゴミを掃除機などで除去するなどの簡単なメンテナンスで、最長約10年の寿命が見込める」(同氏)。さらに「脱臭フィルター」も約7年に寿命が延びるなど、フィルター交換の手間とコストを削減した。

photophotophoto デュアルセパレートファン(左写真の手前)により、風がフィルター全体にあたるようになった(中)。約10年の寿命を持つ集塵フィルター(写真右の中央)

 そのほかの主な仕様は下記の通り。なお、下位モデル「F-PDC50」はnanoeが非搭載となるだけで、そのほかの機能は同一だ。

製品名 F-PXC50 F-PDC50
シルキーホワイト、シルバー サファイアブルー
適用床面積 24畳
nanoe
消費電力 8〜65ワット 5〜62ワット
風量 1立方メートル/分〜5.1立方メートル/分
外形寸法 300(幅)×620(高さ)×210(奥行き)ミリ
重量 6.4キログラム 6.2キログラム
価格 オープン(実売4万5000円前後) オープン(4万円前後)
発売日 9月1日
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