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日立、“真空”ルームで栄養素を守る冷蔵庫

» 2007年09月10日 18時25分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 日立アプライアンスは9月10日、低酸素状態を作り出すことにより、食品の酸化を抑える「真空チルドルーム」を搭載した冷蔵庫6機種を発表した。大容量601リットルの高性能モデル「R-X6000」を9月24日から、残り5機種は12月5日までの間に順次販売開始する。価格はいずれもオープン。

photophoto 601リットルの容量を持つR-SF60XMとR-X6000(左)。幅40センチの皿も余裕をもって収納できる大容量冷蔵ルーム
型番 R-X6000 R-SF60XM R-SF55XM R-SF50XM R-SF45XM R-S45XM
定格内容積 601リットル 545リットル 501リットル 451リットル
真空チルドルーム容積 14リットル 12リットル 10リットル 9リットル
ドア形式 ツイン シングル
本体サイズ(幅)×(高さ)×(奥行き) 750×1798×698ミリ 685×1798×698ミリ 685×1798×658ミリ 685×1798×618ミリ
電動引き出し あり なし
オートクローズ あり なし
発売日 9月24日 10月10日 10月5日 10月30日 11月20日 12月5日
実売想定価格 31万前後 29万前後 26万前後 24万前後 22万前後 21万前後

 「真空チルドルーム」では、食品に含まれるDHA、EPA、ビタミンC、コエンザイムQ10、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンEといった酸化により減少するさまざまな栄養素を守ることができる。従来の冷蔵庫と比較すると、3日間の保存でサバのDHA残存量は46%、レモンのビタミンC残存量は約34%アップした結果が得られたという。さらに酸化を防ぐことでリンゴやバナナ、肉といった食品の変色も抑えることができる。

photophotophoto 「真空チルドルーム」は冷蔵室の最下段に設置されている。レバーを上げることで低酸素状態が解かれ、“プシュー”の音とともに扉が開く
photophotophoto バナナやリンゴ、牛肉の変色が抑えられている。ホウレンソウは根元の張りが保たれ全体的にボリュームある状態に

 真空チルドルームの気圧は富士山の山頂とほぼ同じ0.7気圧。この気圧は、真空度を高めすぎることにより起こる変色や水分蒸発を防ぎながら、食品を酸化から守ることができる“食品保存に適した気圧”であるという。また、300キロの荷重に耐える強化天井ガラスをはじめとした耐圧構造を採用した。長寿命にもこだわり、“1日10回、10年間開け閉めをしても壊れない”密閉構造のロックハンドルを備えている。冷気を吹き出さず、外から冷やす構造なので、食品が乾燥しにくいメリットも持つ。

 同社の調査によると、売れ筋冷蔵庫の内容量は“10年に100リットル”のペースで増加しているという。またゆとりのある冷蔵室では冷気も効率よく巡回し、省エネにもつながると説明。今回、同社は新たに大容量601リットルのモデルをラインアップに追加し(R-X6000、R-SF60XM)、ユーザーのニーズに応えていくとした。

 内容量を増やしながら本体サイズを抑えるために、新開発のボディ構造を採用。従来は天井と側面で別々の鋼板を組み合わせていたものを一体化した「門形構造」や、ボディ形状に沿って立体成形した断熱材などで、強度を保ちながら薄型化に成功している。

photo 鋼板の強度と薄型化を両立する「門形構造」

 全機種ともにカビやウイルスを抑える「ナノチタン/カーボン除菌・脱臭フィルター」「アレルオフフィルター」を搭載する。冷蔵庫背面に設置したクールパネルは、従来製品R-W5700と比較して約30%面積を拡大した「ワイドダブルクール」を採用した。また車椅子に乗っていても操作できるよう、ボタンを低く配置するなどのユニバーサルデザインを取り入れている。最上位機種のR-X6000は、冷凍室や野菜室に電動式のドアを搭載する。

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