ナマジーの「静電センサー」は、岩盤運動による圧力の増大により、金属プラスイオンが地表から大気中に大量に放出される現象を静電気の変化として感知する。ナマジーに仕組まれた「電磁波センサー」と「静電センサー」の2つが地震前の異常を感知するようだ。実際にナマジーが変化の感知を始めるのは、利用者が個別の機器設定を行い、ナマジーが設置された環境を自己学習を済ませてからである(設置から約3日〜1週間後)。
ナマジーに備えられた2つのセンサーが感知したデータである「ナマジー情報」(9桁の数字情報)は、利用者が購入時に設定した設置場所の固有情報(郵便番号や住所)、ユニークなナマジーID、日時・時刻設定などとあわさったQRコードとして表示される。
QRコードには過去感知された最高7回分のデータを収納できる。電磁波、静電気の変化は各レベルともに1〜8段階が規定されており、反応程度の強い6、7、8の3段階のみがナマジーに記録される。利用者はナマジーの液晶画面に表示されたQRコードを携帯電話のバーコードリーダで読み取り、ナマジーセンター(11月オープン)に送信する。
QRコードを読み取れない携帯電話の利用者は、パソコンでナマジーセンターにアクセスし、利用者固有の「ナマジーID」でWebサイトにログインし、前述の「ナマジー情報」である9桁の数字を入力することでも代替が可能だ。この原稿の執筆時点ではまだナマジーセンターがオープンしておらず、地震前兆感知器である「ナマジー」と「ナマジーセンター」の連携プレーでどのようにサービスが提供されるのかその詳細は不明だ。
しかし、自宅に設置して、しばらくは静かだったナマジーが真っ赤な「オドロキナマジー」に変化して異常感知を知らせた45分後、自宅TVの画面に和歌山での地震を知らせるテロップが流れた。これは偶然か必然か、筆者にもそれは分からないが、ナマジーが自宅に来てから、地震への関心が高まったことだけは事実だ。
竹村譲氏は、日本アイ・ビー・エム在籍中は、DOS/V生みの親として知られるほか、超大型汎用コンピュータからThinkPadに至る商品企画や販売戦略を担当。今は亡き「秋葉原・カレーの東洋」のホットスポット化など数々の珍企画でも話題を呼んだ。自らモバイルワーキングを実践する“ロードウォーリア”であり、「ゼロ・ハリ」のペンネームで、数多くの著作がある。2004年、日本IBMを早期退職し、国立大学の芸術系学部の教授となる。2005年3月、より幅広い活動を目指し、教授職を辞任。現在、国立 富山大学芸術文化学部 非常勤講師。専門は「ブランド・マネジメント」や「デザイン・コミュニケーション」。また同時に、IT企業の広報、マーケティング顧問などを務める。
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