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“タッチ”で変わる、大人のオモチャ――「GP2X-F200」を試すGP2Xで遊ぼう! 第4回(1/3 ページ)

» 2007年11月06日 12時30分 公開
[爪生聖,ITmedia]

オープンソースな大人のオモチャ「GP2X」

「GP2X-F200」

 テルテン株式会社による日本正式販売が開始されたGP2X。10月26日に販売が開始された「GP2X-F100」(以下、F100)に続き、タッチパネルを搭載した「GP2X-F200」(以下、F200)は12月1日から発売される予定だが、すでに販売を開始しているところもいくつかある。さっそく試してみよう。

 GP2Xは韓国Gamepark Holdingsより販売されている携帯型エンターテインメントプレーヤーで、ARM系デュアルコアCPUを搭載し、OSにLinuxを採用したガジェットだ。GP2X上で動作するプログラムを作成するために必要なSDKが無償公開されているほか、ストレージにSDメモリーカードを使用するなど、プロプライエタリな製品にありがちな「面倒な手続き」を必要とせずに、すべてのリソースにアクセスできるオープンな環境が人気を呼んでいる。


F100-F200比較表

 今回登場したF200はF100のマイナーバージョンアップと位置付けられており、CPUや内蔵メモリ、画面解像度などには変化がない。最大の変更点はタッチパネルに対応したことと、方向入力デバイスがサムスティックからデジタルパッドに変わったことだ。

 両方ともユーザーの操作感に直結する部分であるだけに、使いやすくなったか、新しい体験をもたらすか、という点が注目されるところだろう。F100とのハードウェア/ソフトウェアの互換性も気になるところだ。

 すでにF100を持っているユーザーがはたして買い替えるだけの魅力を持った製品なのか、また、初めてGP2Xの世界に足を踏み入れる人はF100とF200のどちらを選ぶべきか、という点について見ていくことにしよう。

ボディーカラーは黒から白へ、各部の変更をチェック

 開封してまず気づくのが本体色の変更だ。F100がマットな黒パーツと、それを縁取るように配置されたつやのある黒パーツという、黒1色だったのに対し、F200はパールホワイト風の白にシルバーのツートーンカラーに変更された。

F200の同梱物一覧。実際に利用するには、このほかにSDメモリーカード(SDHC対応)、単3電池2本が必要となる(写真=左)。F100とF200の大きさは(一点を除いて)まったく同じ。上面を除いて同じ金型なのかもしれない(写真=中央)。サムスティックの分だけF100の方が厚みがある(写真=右)

 ゲーム機の場合、インタフェースで最も重要なのが方向入力だ。F100では親指の形にあわせるように、くぼみがつけられたサムスティックだったが、F200では4方向のキーに変更された。F100のジョイスティックは見た目と感触ともにアナログのように思えるが、実際には8方向デジタルであり、ユーザーの錯覚を招きやすかった。その点、F200では見た目と実際の動きが一致している。

 キーは中央がへこむように傾斜がつけられており、自然に親指が収まるようなデザインになっている。私見だが、PS2のコントローラで通常アナログスティックを使う人はF100のほうが、方向キーを使う人はF200のほうが使いやすい、と感じるのではないだろうか。ただ、ボタンになったおかげで上面部の突起部が小さくなり、携帯時などに破損する危険性が減ったことはメリットだ。

 使用感の変化もさることながら、プログラム的にはサムスティックの「押し込み」がなくなったことが大きい。つまり、実質的にボタンが1つ減ったということだ。そのため、サムスティックでカーソル移動、押し込みで決定、という操作を採用しているアプリケーションは操作不能に陥ることになるだろう。

 そのほかはほぼ変更はなく、STARTボタンの刻印がHOMEに変更されたくらいだ。そのこと自体は大したことではないが、ゲームのタイトル画面などに「PUSH START」などと表示しているものは多い。普通はマイナーバージョンアップでボタンの名称を変更するようなことはしないと思うが、このあたりもGP2Xらしいといえばらしいところだ。今後、ソフトウェア開発者たちは「PUSH START/HOME」などのように書くことになるのだろうか……。

8方向デジタルパッドと書かれているが、キーの数は4つ。同時押しで8方向を認識する(写真=左)。STARTボタンの刻印はHOMEに変更された。普通のメーカーならやらない無意味な変更だ(写真=中央)。電池取り出し用のリボンが付いた。なお、このリボンが出ているスリットは電池カバーの差し込み口を兼用しているため、リボンの位置によっては電池カバーがきちんと固定できない場合がある(写真=右)

SDメモリーカードのスロットはF100と同じ位置にあるが、表裏が逆になる(写真=左/中央)。拡張コネクタもF100と同様。クレードルに装着する場合にはカバーを取り外さなければならない点も同じだ(写真=右)

 液晶パネルはタッチパネルを搭載したため、保護スクリーンがなくむき出しの状態になっている。ニンテンドーDSと同様ではあるが、携帯時には折りたたんで画面が保護できるニンテンドーDSと比べると不安を感じるかもしれない。タッチパネルの操作用にロッドアンテナ型のストラップ付きスタイラスが付属している。F200本体に収納することはできないが、ストラップ取り付け穴に取り付けることは可能だ。

伸縮可能なスタイラスが付属する。ずいぶんと太いチップだな、と思ったら実は逆側が外れるようになっていた

 また、販売元のGamePark Holdings Inc.の表示が「gamepark holdings」から「GPH」に変更されている。それと同時にバッテリインジケータが廃止されたため、画面下は非常にすっきりした感がある。パワーランプは緑から青のLEDに変更されたが、かなり輝度が高く、まぶしいくらいだ。

 そのほか、細かいところではスピーカーの音量がかなり大きくなった。しかもミュートとその一段階上の音量の差がかなりある。また、GP2Xのフォーラムでも多くの人が触れているが、特に起動音は周囲の人に迷惑なくらいの音量なので、気になる人はボリュームダウンボタンを押したまま起動したほうがいい。

F100(写真=左)とF200(写真=右)のボディ前面を比べると、バッテリーインジケータの廃止とロゴの変更によってすっきりした印象だ。USBミニコネクタとACアダプタのコネクタはF100から変更はない(写真=右)

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