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第86回 夜の街と明かりの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/3 ページ)

» 2007年12月13日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 寒い季節は夜の街を撮るべき季節。なぜなら、日が短くて意図しなくてもすぐ暗くなっちゃうから。気がつくと街に明かりが灯り、夜の街のきれいさが際だってくる。そんな季節なので、是非ともクリスマスイルミネーションも含めて、夜の街でカメラを取りだそう。

夜の街には露出補正

 とりあえず三脚なしで気軽に撮ってみよう。でも心の準備も何もしないでいきなり「あ、面白い」と思って撮るとこんなことになる。

「岡本太郎のいる夜の公園」。何もしないでいきなり撮ったのが左、反省して撮り直したのが右の写真

 いやあ自分でもびっくりした。よく見るとシャッタースピードが1秒になってた。わざとこういうのを撮ったわけじゃなくて、まさか1秒もかけているとはとは思わなくて途中でカメラを動かしちゃったわけだね。これはこれで面白いのだが、こういうのを撮りたかったわけじゃない。

 そこで、-2の露出補正をかけて撮りなおしてみた。なぜこんなことになるのか、というと、カメラの気持ちになって考えてみると分かりやすい。夜というのは真っ暗なところと輝いてる照明の明るさの差がとても激しい。よってカメラとしては「明るいところと暗いところの両方があるけど、暗いところの方が面積が広いから、暗いところが明るく写るように撮らなきゃ」と判断するわけである。

 でもこちらとしては暗いところは真っ暗なままにして明るく照らされているところを中心に、明暗のコントラストがはっきり出た写真を撮りたいから、「もっと暗く撮ってくれ」とマイナスの補正をかけるわけである。実際、カメラによって判断の基準は違ってくるので、撮りながら調整するのが一番いい。

 例えばこれは都会のごちゃっとした呑み屋が並んでる路地である。普通に撮るとこんな感じになる。確かに普通に撮れてるけど、看板は真っ白になってるし、狭い路地の雑然とした感じは出ない。そこでマイナスの補正をかけて撮り直す。

普通に撮っても雑然とした感じは出ないので(左)、-1.7の補正をかけて撮り直し

 -1.7の補正をかけて撮ってみた。こうすると真っ暗な夜に飲み屋のネオンだけが妖しく輝く、路地って雰囲気になる。

 同じパターンでもう1枚。

普通に撮ったものと(左)、補正したもの(右)

 今度は-2の補正をかけて撮影。派手なイルミネーションを画面一杯に撮る、みたいな輝く点が多い構図だと、露出補正は不要になるかもしれない。要はバランスの問題。

 ちなみに、このコーナーに掲載した写真は全部、手ブレ補正付デジカメだが手持ちで撮った。三脚は使ってない。

 コツだが、手ブレ補正があるデジカメでも「スローシャッター時」は効きが悪くなるので信用しすぎないこと。シャッタースピードが速いとブレる範囲がわずかなので手ブレ補正機構で十分吸収できるが、遅いとブレの範囲が広くなりフォローしきれなくなる、みたいな。極端な例をあげると、シャッタースピードが速いとその間に0.2ミリしか手が動かないのでフォロー可能だが、遅くなるとそれが1ミリや2ミリになり、補正可能な範囲を超えちゃうということだ。かなり単純化したが、なんとなくイメージで捉えてもらえばいい。

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