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注目記事で今年を振り返る(上半期編)(1/3 ページ)

» 2007年12月21日 20時19分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 早いもので2007年も残りあとわずか。薄型テレビの本格普及やフルHD化、次世代DVDの本格始動など、今年も多くの話題が提供された。注目記事でまずは上半期を振り返る。

1月――「次世代」の息吹を感じるCES、iPhone登場

 年頭に米ラスベガスで行われる展示会「International CES」は今年も盛況だった。昨年は「大画面」がひとつのテーマだったが、今年のテーマは間違いなく「次世代DVD」。技術/参考展示にとどまらず、実際にBlu-ray Disc/HD DVDをフォーマットとしたビデオソフトが多く展示されており、いよいよ次世代への移行が本格的に始まることを感じさせた。

 両フォーマットを対立構造でとらえる見方もあるが、互換性を持たせようという動きも見られた。ワーナー・ブラザースのHD DVDとBlu-ray Discの両互換ディスク「Total Hi Def Disc」、LG Electronicsの両対応ドライブ搭載プレーヤー「Super Multi Blue」が発表されたが、いずれも現時点で存在感を持つまでには至っていない。

photophotophoto International CESのBlu-ray Disc/HD DVD各陣営ブース(左、中)、12月に販売開始されたソニーの有機ELテレビ「XEL-1」の原型となる製品が初めて一般に公開されたのもこのInternational CES(右)

 International CESと同時期に行われたMacworld Conference & Expo 2007では、登場がウワサされていたApple製携帯電話「iPhone」が披露された。GSMクワッドバンド(850/900/1800/1900MHz)ならびにEDGE対応であり、いまだに日本国内での投入については不明だが、登場を心待ちにしている人も多いはずだ。

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2月――大人も楽しめる上質おもちゃがヒット、倍速駆動という付加価値

 おもちゃ=子供用の玩具という認識が通用しなくなってきたことを痛感させたのが、2月に行われた「第63回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2007」。確かにギフトや生活雑貨は子供だけを対象としている訳ではないが、今回の展示では、より明確に大人を対象として意識したアイテムが目立った。

 タカラトミーは発売から3カ月間で3万個を出荷したヒット製品「ろくろ倶楽部」に続く団塊世代をターゲットとした蕎麦打ちマシン「いえそば」を展示(のち9月に“家庭用 簡単そば打ちメーカー「いえそば」として発売)。そのほか、発売は2006年12月ながらもジワジワと人気を博し、需要が高まる春先には品切れも続出した貯金箱「人生銀行」も話題を集めた製品のひとつだ。人生銀行はその後シリーズ展開され、1円玉専用の「人生銀行ONE」、貯金しないと“爆発”する「貯金爆弾」が発売された。

photophoto 「いえそば」(ギフト・ショーでの展示より、左)、人生銀行(右)

 AV機器では、シャープのフルHD倍速駆動パネルを搭載したフラグシップAQUOS「R」が発表されたのもこの月。現在では各社が販売している倍速駆動液晶テレビだが、シャープは他社に先駆けてフルHDパネルに倍速駆動技術を導入、フラグシップモデルに搭載してきた。また、当時はさほど注目されなかったが、65V型のLC-65RX1Wでも厚さは9.6センチ(ディスプレイ最薄部)と「業界最薄」(同社)となっており、この年末にソニー「XEL-1」や日立製作所「Wooo UT」などが登場し、薄さが薄型テレビのひとつのアピールポイントになっていることを考えると非常に興味深い。

photophoto フルHDパネルに倍速駆動を導入したAQUOS R「LC-65RX1W」。厚さは9.6センチ(ディスプレイ最薄部)と当時に業界最薄
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