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強力&魅力的な動画撮影機能――EX-V8「YouTube対応」(前編)あのデジカメ、ココが気になる

» 2008年01月22日 11時40分 公開
[小山安博,ITmedia]

 デジカメというと「写真」撮影だが、最近ではほとんどのコンパクトデジカメに動画撮影機能も搭載されている。なんとなくおまけ機能というイメージはあるが、使ってみると意外に楽しい。その中でも面白いのがカシオ計算機のYouTube対応デジカメ「EXILIM Hi-ZOOM EX-V8」。今回はEX-V8の動画撮影機能とYouTube機能を取り上げてみよう。

強力で楽しい動画撮影機能

photo EXILIM Hi-ZOOM EX-V8

 静止画の撮影はデジカメで、動画の撮影はデジタルビデオカメラでと使い分ける人は多いはず。ただ、最近のデジタルビデオカメラはフルハイビジョン対応というのがトレンドになっており、そこまでの高画質動画は不要という場合や、撮影するシーンを限定すれば、デジカメの動画撮影機能で十分ということも多い。

 とはいえデジカメの動画撮影機能は機種によってバラツキがあり、動画撮影中に光学ズームが使えなかったり、ファイル容量の大きなMotion JPEGを利用していたりと、あくまでもおまけ的な機能にとどまっている機種が多いのも事実だ。

 そんな中で静止画/動画の撮影をバランス良くこなしてくれるのが、カシオのYouTube対応デジカメ。動画共有サイトのYouTubeに簡単にアップロードできる機能を搭載した製品で、既存のEXILIMシリーズに比べて動画撮影機能そのものが強化されているのも特徴だ。

 紹介するEX-V8だけでなく、EX-S880やEX-Z1080、EX-Z77にもほぼ同様の動画撮影機能が搭載されており、単純にYouTube対応EXILIMというとこれらを指すことになる。これらは動画圧縮に効率の高いH.264を採用。1GバイトのSDカードを使った場合、MotionJPEGを採用するEX-Z700が約20分しか撮影できなかったところ、約90分撮影できる。

 撮影可能サイズは848×480、640×480、320×240の3種類が選べ、ワイドテレビでも見やすい16:9のアスペクト比で撮影できるのもうれしい。848×480の場合はUHQワイド、HQワイドという2種類の画質が、640×480の場合はUHQ、HQ、Normalの3種類の画質が選択できる。フレームレートは30fpsだ。

photo ワイド画面向けの解像度でも撮影できる

 H.264は圧縮効率の高い規格だが、画質は十分。さすがに専用のデジタルビデオカメラのような高画質とはいかないが、記録用としてはまったく問題ない。EX-V8では.MOV形式のファイルとして記録されるため、ファイルはQuickTime Playerで再生できるほか、iTunesにそのまま読み込め、iPodやApple TV用に変換するのも簡単だ。

 さらにEX-V8のメリットは、光学7倍ズームが動画撮影中でも利用できること。動画撮影中のズームはデジタルのみというカメラもある中、これは心強い。ズーミングの速度はゆっくり目だが、35ミリ換算で38〜266ミリをカバーするので幅広い撮影シーンに対応できる。撮影中にズームした場合のAF追随性は比較的ゆっくりで、このあたりは専用機器におよばないところだが、ズームしてから撮影を開始してもいいし、落ち着いて待てばきちんとAFは追随してくれる。

 CCDシフト方式の手ブレ補正機能も搭載ししており、動画撮影中にも機能する。補正の効きはちょっと弱めの印象で、手ブレ補正オフに比べると多少マシかなという感じだが、ないよりは安心できる。

 注目なのが、充実したベストショット機能。これは他メーカーでは「シーンモード」などの名称で呼ばれる撮影シーン別プリセット設定だが、種類が非常に豊富。静止画向けに34種類、動画用に11種類を用意している。肌色を強調する「人物を写します」、露出をプラス補正する「逆光」、感度を高くして撮影する「高感度」などが用意されているが、「サイレント」「ショートムービー」「パストムービー」が面白い。

 サイレントは、無声映画のようにちょっとカクカクした速い動きかつモノクロで撮影される。パストムービーは、シャッターボタンを押さなくても常時映像を記録しておき、シャッターボタンを押した数秒前から動画を保存する。「ショートムービー」は、パストムービーと同様にシャッターボタンを押す前から記録をするが、数秒で自動的に記録が終わる。

photo ムービーベストショットは11種類で、露出や感度の設定を自動化するベストショットに加え、独特な効果や撮り方ができるモードも用意されている

 実用的な機能に、楽しい遊べる機能まで豊富に搭載したEX-V8。普段動画を撮らない人でも、ちょっと試してほしいと思わせるデキだ。

 次回は、いよいよ本題のYouTube機能をチェックしてみよう。

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