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豊かな階調&フィルムの色再現力――光学14.3倍ズーム機「FinePix S100FS」

» 2008年01月24日 15時41分 公開
[ITmedia]

 富士フイルムは1月24日、デジタルカメラシリーズ「FinePix」誕生10周年記念モデルとして、広ダイナミックレンジや色の再現性を追求したレンズ一体型デジタルカメラ「FinePix S100FS」を発表した。2月下旬から販売を開始する。市場想定価格は10万円前後。

photophoto FinePix S100FS

 FinePix S100FSは、有効1110万画素の高解像度と、白飛び・黒つぶれの少ない広ダイナミックレンジな仕上がりとの両立を図っている点が大きな特徴。

 これまで同社は、広ダイナミックレンジを実現する撮像素子として“SR”タイプのスーパーCCDハニカムを開発・搭載してきた。この“SR”は大面積で高感度の“S画素”と小面積で階調表現に優れた“R画素”という、得意分野が異なる2タイプの画素データを合成することで、ダイナミックレンジを従来の「スーパーCCDハニカム HR」搭載機に比べ約4倍に広げることができる。しかし“2つの画素データを合成”するために写真の画素数はCCD画素数の半分相当となってしまう。

 今回の新製品は、階調性を高めた新開発の2/3型有効1110万画素「スーパーCCD ハニカム VIII HR」と、新画像処理エンジン「リアルフォトエンジンIII」の処理とにより、“SR”と同等の広ダイナミックレンジを“HR”で実現した。ただし、レンジ幅に応じて感度の制限があり、200%の時はISO200以上、400%の時はISO400以上での撮影となる。カメラがシーンごとに最適なレンジ幅を選択するAUTOモードも搭載。

 また新エンジンの採用により高感度撮影でのノイズも低下した。最大有効画素数でISO3200までの撮影に対応し、300万画素ではISO10000での撮影が可能だ。

 注目の機能として、フィルムを選ぶ感覚で写真の仕上がりを選択できる「フィルムシミュレーションモード」を搭載。今回は新たに同社のフィルムブランド名を冠したモードを用意した。オールマイティーな「PROVIAモード」、鮮やかな仕上がりの「Velviaモード」、落ちついた発色の「ASTIAモード」、肌色再現を重視して白飛びや黒つぶれを抑える「PORTRAITモード」が用意されている。新搭載のマルチブラケティング機能では従来のAEブラケティングに加え、各ダイナミックレンジ幅やフィルムシミュレーションモード(PROVIA/Velvia/ASTIA)に対応したブラケティング撮影ができる。風景写真の撮影に適した「ネイチャー」「ネイチャーソフト」「ネイチャービビッド」などを含む全14種類のシーンポジションも搭載した。

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 レンズは広角28ミリから望遠400ミリをカバーする光学14.3倍ズームレンズを採用し、F値はF2.8-5.3。シャッタースピード3段分のレンズシフト式手ブレ補正を内蔵する。最大1センチまで寄れるスーパーマクロ撮影が可能。

 コントラスト検出方式AFの性能を向上させ、暗所での素早いAFを実現している。連写機能は最大7コマ/秒(300万画素・連続50コマまで)。

 2.5インチ23万画素のマルチアングル液晶と、フィールドシーケンシャル方式の0.2インチ20万画素電子ビューファインダーを採用。xD-ピクチャーカード/SD・SDHCメモリーカードでの記録に対応するほか、約25Mバイトのメモリを内蔵する。連続記録枚数は約250枚。本体サイズは133.4(幅)×93.6(高さ)×150.4(奥行き)で、重さは約968グラム(バッテリー、カード含む)。

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