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連載2008年02月08日 11時14分 更新
麻倉怜士のデジタル閻魔帳:「ワーナー・ショック」の本質 (1/3)ワーナーがBlu-ray Disc一本化を決定したいわゆる“ワーナー・ショック”で、次世代DVD戦争は終結に向かうとみられている。この「フォーマット戦争の終わりの始まり」は何を意味するのか。日本時間の1月5日早朝、ワーナー・ホーム・ビデオがHDビデオソフトのBlu-ray Disc一本化を決定した。いわゆる「ワーナー・ショック」だ。これまでHD DVDとBDの両フォーマットをリリースしていた同社がBDのみの支持を決めたことで、フォーマット戦争は終結に向かうという観測がなされている。 デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏が、最新トレンドをいち早く、しかも分かりやすく紹介してくれる月イチ連載『麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」』。International CESの後にハリウッドの各スタジオへ立ち寄り、米国の最新情報を取材した麻倉氏に“ワーナー・ショック”の本質を尋ねた。 フォーマット戦争の「流れ」――前回(麻倉怜士のデジタル閻魔帳:CESで分かった2008年のトレンド)にもうかがいましたが、International CESの会場でも、ワーナーのBD一本化は本当に大きなニュースとして話題になりましたね。 麻倉氏: ワーナー・ショックは本当のショッキングなニュースでしたね。International CESの会場でも広く知れ渡っていて、BD/HD DVD両陣営ブースの温度差が非常に印象的でした。これまで各種展示会でも両陣営は隣り合わせになったことはありませんでしたが、今回は南館で中央階段を挟んで隣接していまして、HD DVDのブースはまったくもって閑散としている一方、BDのブースは常に黒山の人だかりでした。 CEATEC JAPANの時にも感じたのですが、BDブースの広さやアクティビティに対して、HD DVDブースはいまひとつという感じが否めませんでした。非常に対照的な雰囲気を醸し出していたといえるでしょう。 フォーマット戦争というものは一度タガが外れると、一気に傾いてしまうものです。ハード/ソフト/サービスが1つの方向を向いていれば安定しますが、戦争では、あるシェアが達成された瞬間、多数はそちらへ流れ込みます。 βとVHSを例にすれば、双方が登場した最初の5年ぐらいは拮抗していましたが、あるタイミングでソフトがVHS優勢になると、一気に流れはVHSへ傾き、1987年ごろには完全にVHSが優位となりました。その後、βの旗振り役であったソニーもVHSデッキを投入するに至り、戦争は終結しました。 BD/HD DVDがその例と類似しているはそうした「流れ」です。これはアメリカの統計ですが、それまで1:1で推移していたBD/HD DVDのハードウェア販売が、ワーナー・ショックの後には9:1とBDの優位が高まりました。その後、HD DVDプレーヤーのディスカウントで、ある程度回復しますが。流通関係者や消費者は動向に敏感ですね。ロスアンゼルスで、販売店の販売員に「HDプレーヤーを買いたいが、BDとHD DVDどちらを選べばいいか?」と尋ねましたが、「規格戦争に勝ったのだから、それはBDだ」と即答されました。 シングルフォーマットを求めたワーナーの決断麻倉氏: なぜそこまでBDの優位が明確になったのか。原因としてワーナーの動きを挙げない訳にはいかないでしょう。ここ5年ほど、私は毎年ハリウッドのスタジオへ取材に出かけていますが、ワーナーはまさにトレンドセッターだと感じています。 古い話になりますが、MMCD(Multimedia CD:フィリップスとソニーが推進したビデオディスク規格。1.1ミリ厚ディスクに3.7Gバイトの記録が可能)とSD(Super density Disc:東芝やパナソニックらが推進したビデオディスク規格。0.6ミリ厚ディスクに5Gバイトの記録が可能)の競争時――最終的にはSDが勝利し、今のDVD規格が誕生するのですが――、その勝因はCDとの互換性を犠牲にしてまでも実現した大容量化でしたが、もうひとつ要因がありました。ワーナーによる、多角的なサポートです。この時の話は、私の最初のDVD本「12センチギガメディアの野望」(オーム社)に詳しいです。 今回のBD/HD DVDに話を転じても、ワーナーとしては以前からシングルフォーマットにしたいという想いを強く持っていました。2004年にHD DVD、翌年秋にBDの採用も発表しているのですが、話を聞くと一貫してシングルフォーマットで行くべきと強調していました。フォーマットが複数存在することで消費者が買い控えすることを恐れたのですね。 [渡邊宏,ITmedia] Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved. Special
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