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手ブレと被写体ブレを防ぐ、安心定番コンパクト――「IXY DIGITAL 20IS」レビュー(1/5 ページ)

» 2008年02月12日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 コンパクトデジカメの定番中の定番であるIXYシリーズが「IXY DIGITAL 20IS」でまた一歩前に踏み出した。

 注目点は2つ。

左から、IXY DIGITAL 10/20IS/2000IS。2000ISは上位モデルでボディも大きいが、カーバチャーデザインの雰囲気が20ISと似ていたので参考のために登場願った。10はやはり手ブレ補正機構がない分小さい。

 まず1つめ。IXY Digitalには3つのシリーズがある。1/1.7インチクラスの大きめCCDを搭載した4桁シリーズ(「IXY DIGITAL 2000IS」、以下2000IS)、1/2.5インチクラスCCDながら広角系・望遠系などレンズを強化し手ブレ補正機構を持ったスタンダードクラスの3桁シリーズ(「IXY DIGITAL 810IS/910IS」、以下810IS/910IS)、そして超小型軽量を目指す2桁シリーズ(「IXY DIGITAL 10」、以下10)である。

 そして今回登場した2桁シリーズ最新モデル「IXY DIGITAL 20IS」(以下20IS)は「IS」(Image Stabilizer)の2文字がついたことからわかるように、とうとうこの小さなボディに光学式手ブレ補正を内蔵したのだ。これでIXYの全シリーズが光学式手ブレ補正を持ったと思ってよさそうだ。

 10はデザインもサイズもいいんだけど、手ブレ補正機構を持たないのが欠点だった。今回は2000ISを彷彿とさせる丸みを帯びたデザインになり、Lシリーズを彷彿とさせるカラーバリエーションを持ちつつ、手ブレ補正内蔵である。

 10よりちょっと大きくなったが、多少は仕方あるまい。ややレトロで角張ったデザインが好きだった人には残念である。そこは将来に期待するしかないだろう。

 もう1つは新技術のモーションキャッチテクノロジーの搭載。手ブレや被写体ブレを検知し、それを加味したISO感度コントロールなどを行うことで被写体ブレのない写真を撮ろうという技である。

小さなボディに光学式手ブレ補正を搭載

20IS。左がキャメルで右がブラウン。ボディはアルミ製。

 10と20IS、そして2000ISを並べて撮ってみた。このように、10の小ささに2000IS系の「カーバチャーデザイン」を施し、大人っぽいカラーバリエーションを用意している。

ほぼ正面から。レンズ周りの意匠は810ISや2000ISと同様の滑らかな曲面となっている。レンズの上にあるのは光学ファインダ(このボディでもしっかり搭載)。その左はAF補助光
グリップ側の側面。微妙な曲面が特徴。中央の金具はストラップ用(右)。反対側の側面。レンズは2段沈胴式(中、左)

 レンズは38〜114ミリ相当の3倍ズーム。IXY DIGITAL 10は35〜105ミリ相当であり、ほんのちょっとだけ望遠側に寄ったことになる。明るさはF2.8〜4.9、マクロ時の最短撮影距離はワイド端で3センチ、望遠端で30センチと変わらない。

 画質はキヤノンらしい記憶色に近い鮮やかな画質で、オートでのヒット率が高く安心して使えるもの。映像エンジンはDIGIC IIIを搭載している。

 ISO感度はISO80から1600まで。ISOオート時は最高ISO200、高感度オート時は最高ISO800まで上がる。ISO400までは被写体によっては画質劣化が気にならないが、ISO800を越えるとやはり増感によるノイズが目立ってくる。ISO1600時の画質は前モデルよりよくなった。ただ無理なノイズの消し方をしていない分、不自然さはあまり感じない。この辺は作例をどうぞ。

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