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“空間情報量の多さ”と“音場の立体感”――フロントサラウンド「Niro Spherical Surround System」(2/2 ページ)

» 2008年02月28日 19時40分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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魅力は“空間情報量の多さ、音場の立体感”

 包囲感をチェックする際のリファレンスにしている映画「プレステージ」の放電装置に飛び込むシーン。バチーーンと稲妻が体を貫きそうに感じるこのシーンでは、真後ろからの音の圧力にやや弱さを感じたが、空間情報量の多さや音場の立体感は、2チャンネルのバーチャルサラウンドにはない魅力である。

 サラウンド成分の位相をずらし、メインスピーカーに混ぜるというやり方の場合、どうしてもメインスピーカーの波形と打ち消しあう音が生まれ、情報量が低下してしまう。本システムではそうした問題がないため、フロントサラウンドであっても音場の豊かさが生まれるのだろう。

 さらに言えば、各チャンネルともに位相の狂いが出ないフルレンジスピーカーを採用していることも、意外なほど整った立体感のあるサラウンド感をもたらす理由かもしれない。

 本システムに採用されているフルレンジスピーカーはメインユニット部が9センチ、サラウンド側は6センチと小型だが、肉声やちょっとした効果音であれば低域に大きな不足は感じない。再生不可能な帯域はサブウーファーから出るので、音が薄く感じることはないはずだ。

 さらに言及しておきたいのが、ドルビーデジタルおよびDTS、AACのデコード機能も持つサラウンドアンプ。このアンプとスピーカーを結ぶ端子は、なんとも頼りないプラグなのだが、想像するよりもはるかにきちんとした音が出てくるので驚く。

photophoto サブウーファー(左)とサラウンドアンプ(右)

 試しにCD再生をさせてみたが、音域バランスがよく中域にハリのある音は実に聴きやすい。ピュアオーディオ的に評価をするなら指摘できる弱点はいくつか出てくるが、しかしこれはちょっとしたミニコンポよりも、ずっと楽しい音を鳴らしてくれる。

 薄型になり、画面の迫力が増してきているのとは対照的に音質は低下気味なのが現在のテレビ事情。テレビは買い換えたが、その最新テレビから出る音があまりに悪くてガッカリした。そんな人なら、一度は試してみたいフロントサラウンドシステムだ。

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