薄型テレビと組み合わせで人気のフロント完結型ホームシアターシステム。その中でも簡便さ&サラウンド効果の素晴らしさでお勧めなのが、ヤマハの<デジタル・サウンド・プロジェクター>「YSP-3000/4000」だ。リビングで配線の煩わしさに思い悩むことなく、スマートに映画や音楽を楽しみたい。もちろんいい音で臨場感豊かに……とお考えの方にとって、YSP-3000/4000は現在考えられる最高のソリューションである。
最近、専門誌などで大画面薄型テレビのテストを担当することが多い。そこでつくづく実感するのは、ここ数年の液晶やプラズマテレビの驚異的な高画質化の動きである。コントラストやS/N比、動きボケなどが大きく改善され、ほとんどすべてのフルHDテレビが、ハイビジョンの素晴らしさを万人に知らしめる高画質を持つに至ったと確信する。
それに比べて音質面の向上はと言うと、これがはかばかしくない。というか、テレビ本体の薄型化、狭ベゼル化のあおりを受けて、それなりの容量を持った、きちんとしたキャビネットをスピーカーに与えることが難しくなり、低音の痩せた、貧弱な音のテレビばかりが氾濫しているように思える。特にダイナミックレンジが広く、ダイアローグ・レベルが相対的に低いBlu-ray Disc(BD)などのHDオーディオ収録作品にまるっきり対応できない。セリフがよく聞き取れないのでフルボリュームにしたら、ドカーンと爆音が炸裂、歪んだ音にあわててリモコンを床に落す……という悲劇によく出くわす。
そんなわけで、ラックにスピーカーを組み込んだ製品を薄型テレビと一緒に購入する方が増えているようだが、これも実際に聴いてみるとガッカリしてしまうことが多い。まず制振構造が徹底されていないため、ちょっとボリュームを上げると、ラックが振動して音を濁らせているのが分かるし、採用例の多いバーチャルサラウンドの位相のずれた不自然な音の広がりが気になって、聴いていてなんだか落ちつかない感じがするのだ。
一方で、AVアンプを導入して5.1ch分のスピーカーをセットアップすればいいのは分かるけれど、ソファの後ろにスピーカーを何本も置くのは無理、スピーカーケーブルが床を這い回るのもイヤだし……という方も多い。確かにシアター専用ルームならまだしも、家族みんなのパブリックスペースであるリビングルームで5.1chスピーカー環境をつくるのは、かなり難しいというのが現実だろう。
そんな事情を反映してか、各社からフロント完結型のホームシアターシステムが発売され、けっこういいセールスを記録していると聞く。5万円以下のAVアンプ市場は、すべてこの類の製品に飲み込まれてしまったのではないかと想像するほどだ。ぼくはこれまで、そんなフロント完結型ホームシアター・システムのほとんどを聴いてきたが、その簡便さ、サラウンド効果の素晴らしさにおいて、ヤマハの<デジタル・サウンド・プロジェクター>YSPシリーズに比肩しうるものはないのではないかと考えている。
とくに、昨秋に発売されたYSP-4000の音にはとても感心した。20帖ほどの広い部屋で100インチ級スクリーンと組み合わせて聴いたのだが、その大画面に負けない、スケール感豊かなサラウンドサウンドが得られ、おおいに驚かされたのである。
この1月にはYSP-4000の弟機になるYSP-3000が発売されたが、これも試聴してみて製品としての完成度が極めて高いことが分かった。そこで、ここではYSP-3000の音の魅力に迫りながら、<デジタル・サウンド・プロジェクター>YSPシリーズの存在意義について改めて考えてみたい。
<デジタル・サウンド・プロジェクター>YSPシリーズは、ステレオ設置されたスピーカーから放たれた音の位相・時間特性を電気的にいじってマルチチャンネル音場を仮想的に創造するといった、よくある「バーチャルサラウンド・システム」ではない。
1つのキャビネットに装填された複数個(YSP-4000は40個、YSP-3000は21個)の指向性の鋭い40ミリ径ダイナミック型コーン・スピーカーから放たれた音をディレイを用いてビーム化、壁や天井に反射させることで、リアルなマルチチャンネル・スピーカー環境を再現するというものである(センターチャンネルは、反射を用いない直接放射)。それぞれのスピーカーは内蔵された2ワットのデジタルアンプで駆動され、全チャンネル分の低音を再生するウーファー・ユニット(YSP-4000は11センチ径、YSP-3000は10センチ径)をキャビネットの両サイドに2発装填、それぞれ20ワットアンプでドライブされるという構成だ。
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提供:ヤマハエレクトロニクスマーケティング株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日