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「デビルズ・バックボーン」「ヘルボーイ」「ブレイド2」などで知られるスペインの鬼才監督ギレルモ・デル・トロによるファンタジー「パンズ・ラビリンス」が、3月26日に通常版(3990円)とDVD-BOX(6090円)の2種類のDVDでリリースされる。
通常版の特典は予告編集のみ。DVD-BOXは2枚組で、シャドーアート仕様デジパック、外箱付き。特典ディスクにはビジュアルエフェクト、撮影メイキング、主演女優イバナ・バケロの来日インタビューなど約58分を収録している。また32ページに及ぶ「パンズ・ラビリンス」設定資料&写真集、ギレルモ監督直筆の設定資料や美術スケッチなど封入特典も豪華。
舞台は内戦の余波が残る1944年、フランコ政権下のスペイン。少女オフェリアは父を内戦で亡くし、母の再婚相手となる大尉がいる山奥の駐屯地へとやって来る。しかし冷酷な継父はオフェリアには無関心で、ゲリラ一掃に血道をあげている。頼るべき母も臨月で旅した影響で寝たきり、空想好きな彼女に「魔法など存在しない」と言い聞かせる。やがて孤独なオフェリアは不思議な昆虫に誘われ、牧神パンのもとへ。そして、自分がとある地底の王国の失われたプリンセスであると告げられ、プリンセスの資格を取り戻すために3つの試練が与えられる。
カンヌ国際映画祭で絶賛され、スペイン、イギリス、全米で数々の賞を受賞。アカデミー賞では外国語映画賞としては異例の6部門にノミネートされ、撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞。
オフェリアはつらい現実を前に、幻想的なファンタジー世界に逃げ込むのではなく、希望を託したのだ。そこは巨大なカエルが長い舌を伸ばし、両手のひらに眼がある化け物がどこまでも追いかけてくる、恐ろしい世界。でも、オフェリアにとっては、人を虫けらのように殺せる継父がいる現実世界のほうが、きっと悪夢だったに違いない。
ファンタジーはどこかグロテスクで、現実への批判が見え隠れしていたほうが面白い。本作は反戦のメッセージがあり、少女の空想と妄想力に心ときめき、「千と千尋の神隠し」のような宮崎アニメに通じる力強さを感じる。
空想と現実の世界を必死に、そして懸命に生きたオフェリアは美しい。ファンタジーとはいえ、とても深く、見終わった後はとにかく切ない作品。必見・必携の1枚です!
関連サイト:http://www.panslabyrinth.jp/(公式サイト)
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