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「99%騒音カット」のソニーNCヘッドフォン、「MDR-NC500D」を試すレビュー(1/2 ページ)

» 2008年04月11日 11時56分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
photo 「MDR-NC500D」

 周囲の騒音を低減するノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォン。ひところのような新製品ラッシュは収まったものの、ソニーから「騒音を約99%低減」をうたう新製品「MDR-NC500D」が登場した。

 2004年12月に登場したMDR-NC50は周囲の騒音を「約1/5に低減」、2007年3月に登場したMDR-NC60は「約1/6に低減」をうたって登場したが、今度は「99%低減」だ。その言葉の持つインパクトを実際に体感できるか、レビューで探ってみた。

デジタルNC処理でノイズ低減「99%」を実現

 外観はMDR-NC60と同じく耳全体を覆う、NCヘッドフォンとしては一般的な密閉ダイナミック型。搭載するドライバーユニットも同じくCCAWボイスコイルを採用した40ミリ径で、ハウジングの実測値は約96(縦)×約70(幅)×約47(厚さ)ミリ。MDR-NC60(約96×80×47ミリ)に比べると小型化が進められている。また、重量についても軽量化が進められており、MDR-NC60が約230グラムであるのに対して約195グラムとなっている。

 MDR-NC50/60はハウジング内部に単四形乾電池を1本搭載していたが、本製品は内蔵型のリチウムイオン充電池に変更されており、単三形乾電池×2本を利用する外付けの電池ボックスも用意されており、充電池が切れた際にはアルカリ乾電池を別途用意すれば利用を継続できる(電池ボックスから充電池の充電は行われない)。利用可能時間は充電池利用時で約15時間、外付け電池ボックス(アルカリ乾電池×2)利用時で約10時間だ。

photophotophoto 左ハウジングの操作インタフェース類(左)、右ハウジングには電源入力と3.5ミリのステレオ入力(中)、外付け電池ボックスは接続ケーブルも一体化しており、スマートに利用できる(右)、

 左ハウジングに操作インタフェースはなく、ACアダプター/電池ボックスからの電源入力と3.5ミリステレオ入力のみ。操作インタフェースは右ハウジングに集中しており、電源/押している間のみ外部からの音を取り込む「MONITOR」ボタン(その間は入力されている音は聞こえなくなる)/ノイズキャンセリングのモード切り替えスイッチの3つが用意されている。

photophoto 「MDR-NC500D」(左)と「MDC-NC60」(右)

 本製品で採用されているノイズキャンセルの仕組みは一般的な逆位相型。周囲の騒音を搭載するマイクで拾い、相反する波形であるキャンセル信号を作り出してぶつけることで結果的に騒音を低減する仕組みだが、既存製品と大きく違うのは、波形解析/生成の仕組みがデジタル化されたことだ。

photo 本製品に採用されているデジタルノイズキャンセルの概要

 集音した騒音はA/D変換された後に、そのデータを元に生成されたキャンセル信号と相殺され、同じくA/D変換された音楽ソースとミックスされる。そして、D/A変換されたのちにノイズの低減された「音楽」としてドライバーユニットから出力される。

 処理をデジタル化することで得られる恩恵は大きく分けて3つ。ひとつはキャンセル信号生成精度が向上することによる「NC効果の向上」、ひとつは入力された音楽ソースをヘッドフォンにあわせた周波数特性に変更することで実現する「高音質化」、もうひとつはノイズキャンセル処理をソフトウェア制御することで実現する「NC特性の切り替え」だ。

 本製品はノイズキャンセルのモードとして、航空機内の騒音低減に適した「モードA」、電車やバスの騒音低減に適した「モードB」、OA・空調機器の騒音低減に適した「モードC」を備えており、右ハウジングのボタンで切り替えが行えるほか、モード切り換えボタンを長押しすることで自動的に周囲の音を解析し、最適なノイズキャンセルモードへ自動的に切り替わる機能も備えている。

 ちなみに、本製品がうたう「99%」は、同社が航空機内をシミュレートしたノイズ下で「モードA」にした本製品を装着した状態と、ヘッドフォン非装着の状態を比較しての数値となっている。どれほどの効果を得られるか、試用してみよう。

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