まず、正確な色表現には液晶パネルの特性に応じた調整が不可欠だが、ユニデンでは製造工程において「ガンマオプティマイゼーション」を取り入れている。パネル仕様にとどまらず、パネル1枚1枚の微妙に異なる表示特性に対して、実際の計測データをもとに補正値を算出することで、個別にガンマ値(γ=2.2)を最適化しているわけだ。
さらに、複数の色領域を独立して補正可能な「マルチドメインカラーマッピング」処理を実装。液晶パネルで再現可能な色の範囲と、NTSC規格で想定している再現範囲の違いを補正するために、領域ごとのきめ細かな補正を行い、より自然な色合いを再現している。
また、デジタル放送特有のノイズに対しては、独自の「インテリジェントクラリティ」技術により、映像内の輪郭部分とノイズ部分を高精度で判別し、輪郭部分のみに適切なシャープネス処理を施している。S/N感の向上を求めて画面全体へ強調処理をかけると、ノイズ部分まで目立ってしまい、不自然な映像になりがちだが、「インテリジェントクラリティ」ではクリアでありながら、ナチュラルさも兼ね備えた画質を実現したという。
ユニデンではテレビという“生活必需品”をシンプルに突き詰めているわけだが、その柱の1つとなるのが上記の映像性能である。そして、もう1つ重視している点が快適な操作性だ。デジタル放送ではチャンネル切替やデータ放送の受信において、ストレスを感じるケースも多々あるが、製品設計時にはそれらを最小限に抑えるように意識している。
EPG(電子番組表)においても、機能をシンプルにまとめて、軽快な動作を確保。当然ながら、データ受信をともなう場合には数秒の待ち時間は発生するが、通常は待機中に番組表を自動的に取得しておいてくれる。番組表取得が完了していれば、スクロールなどはスムーズに操作可能で、現在放送中の番組をザッピングしたいときなどにも実用的だ。
入力端子はコンポーネントビデオとコンポジットビデオ、そして、HDMI端子が1基ずつという構成。HDMIは1080p対応で、PCとのDVI接続時に便利な音声入力(ステレオミニジャック)も備えている。パネル自体の解像度は1440×810ピクセルで、ユニデンのテレビではオーバースキャンのオン/オフを選択できるため、PCから1440×810ピクセルで出力してやればドットバイドット表示も行えるはずだが、すべての環境において実現可能というわけではなさそうだ。その場合は、PCから720p(1280×720ピクセル)で出力し、オーバースキャンをオフにしてやれば、比較的明瞭で視認性の高い表示を得られるだろう。
この春から大学新入生、新社会人として一人暮らしを始めた人たちの場合、最初はとりあえずワンセグつき携帯電話ですませることにして、ほかの生活必需品に予算を回したというケースも多いのではなかろうか。しかし、そろそろ新しい生活に慣れ、自分の部屋に友達などを呼ぶようになるとともに、お金を貯めてテレビを買おうと思い立つかもしれない。
単にワンセグつき携帯電話よりも大きく美しい画面を手軽に楽しみたいというなら、「TL19TX1」が適しているだろう。しかし、デジタル放送はなにも地上デジタルだけではない。BSデジタルには品質の高い番組が揃っているし、110度CSデジタルには多種多様な内容のチャンネルが目白押しだ。
もちろん、受信用アンテナは別途必要となるが、共同アンテナにBS/CSが含まれているような環境であれば、追加予算は本体差額の8000円だけですむ。どうせなら地上/BS/110度CS対応の「TL19BX1」で、多彩なデジタル放送を試しに楽しんでみるというのもよいのではないだろうか。
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提供:ユニデン株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年5月20日