従来製品同様、PCの共有フォルダを録画先にすることも可能だ。原則として、Windows側を簡易共有設定で利用する必要はあるが、例えば余剰のPCをNAS代わりに利用するのもアリ。バルクHDDを複数使ってローコストに録画容量を増やせるのは魅力だ。
このほか、先に触れたi.LINK接続の録画用HDDを使って録画、再生を行うこともできる。とにかく録画先を多彩に選択できるZH500だが、重要なポイントは内蔵HDDとi.LINK接続の録画用HDDを除けば、リーズナブルなPC周辺機器が利用できることだろう。メーカーとしては専用機器を用意して、悪くいえば「高く売りつける」ことも可能なのだが、同社はあえてその道を選ばなかった。
もちろんトレードオフもある。録画番組は全て録画したZH500固体に紐付けされる形で暗号化されており、ZH500の寿命が来たり、故障して新品交換などとなった場合にはすべて再生できなくなる。RAID-5のNASを利用して大事に保護していても、いつまでも再生できる保障はない。だからこそ著作権保護機能を持たないUSB HDDやNASにも録画が行えるわけだ。単体のレコーダーも内蔵HDDに限れば状況は同じだが、こちらは光学ドライブを備えるのが一般的で、DVDやBDメディアにダビングすれば暗号化はメディアに紐付けされ、ほかの機器でも再生可能になる。
ただし、この点も「ZH500」と「ZV500」では改善されている。今回からDLNA+DTCP-IPベースのムーブが可能になり、暗号化の紐付けをDLNAサーバに委譲することで、ZH500で録画した番組をほかのDTCP-IP対応DLNAクライアント機器で自由に再生できるようになった。この点に関しては次回、細かく検証する予定だ。
次にレコーダーとしての使い勝手を見ていこう。まず注目してほしいのはリモコンだ。おそらくRDシリーズのユーザーであれば、見慣れたキーに気がつくだろう。2重になった4方向キー、正逆両方向のワンタッチスキップキーなど。独特のデザインこそ継承していないが、さまざまなシーンで機能するクイックキーもある。
これらのキーはレコーダーとしての使い勝手に大きな影響を与えている。ほとんどの操作画面で外側の上下キーを使ってページスクロールが可能で、CM飛ばしに便利な25秒送り、5秒戻しも使える。クイックキーを押せば場面に応じたショートカットメニューが呼び出せる。RDシリーズと比べれば、削られた機能も多いが、操作性の良いところを積極的に取り込んでいる。
電子番組表は、最大7チャンネル×6時間分の表示が可能なラ・テ欄タイプ。東京地区でもNHK+民放キー局を1画面に納めることができるため、3回縦にページをスクロールすれば1日分を閲覧できる。マルチチャンネル表示は放送局単位で指定できるため、全ての放送局がマルチチャンネル表示になって急に一覧性が失われることもない。電子番組表は俊敏に動作するという程ではないが、縦横ともにページスクロールは快適といえるレベルだ。
電子番組表を呼び出すと現在の電子番組表ではなく、前回表示した日時で表示されるのもRDライクな部分。このあたりは好き嫌いが別れそうだが、録画予約を中心に据えた場合にはこの方が便利なことが多い。青キーを押せば現在の日時に即座に切り替わるため、分かってしまえばなんてことはない。
録画予約は、電子番組表から番組を選択し、単発予約なら録画先を確認して「録画予約」を押すだけ。「詳細予約」を選択すると、録画先や保護のON/OFF、2008年春夏モデルから導入されたワンセグ録画のON/OFFなどが行える。その際、前回選択した録画先が保持されるため、録画は内蔵、USB HDDといったように一度決めてしまえば普段は変更する必要はない。せっかくUSB HDDを接続したのに気づいたら録画は全部内蔵HDDに……なんて心配もない。
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