ちょっと気になったのは、ムーブに要する時間だ。30分番組で5分ほどかかった。SDHCクラス6のmicroSDメモリーカードを使ったため、物理的な書き込み速度の問題ではない。毎朝、身支度をしながらさっとムーブする、といった使い方にはちょっと時間がかかりすぎる感じだ。
ちなみにSDメモリーカードに保存した番組をZH500で再生することもできる。もちろんケータイでワンセグ録画した番組もOK。3段階の画面サイズを大にしてもパネルの幅、高さを3分の2程度使用した表示になるが、出先であわてて録画した番組を自宅では大画面で見るなんて使い方もアリだろう。ただ、ワンセグなので画質は“相応”でしかないのだが……。
ZH500とZV500の新機能となったのがDTCP-IP対応サーバへのムーブ(ダビング)機能だ。現時点でムーブ先に使用できる製品はアイ・オー・データ機器の「HVL4-G」のみだが、DTCP-IPベースでのダビングは本機独自のものではなく「DTCP-IP V1.2」の仕様に基づいている。したがって、将来的に対応製品の増加も十分に期待できるだろう。
DTCP-IP対応サーバは内蔵HDD、USB HDD、NASからのムーブ先という扱いで、現状でDTCP-IP対応サーバからのムーブは行えない。つまりは一方通行だ。ただしムーブ後も再生は行えるし、操作性などにもほとんど変化はない。なお、レジューム再生機能などには対応しないので、録画、再生が完了した時点でムーブするというのが正しい使い方になるだろう。
ムーブ作業の操作も、内蔵HDD、USB HDD、NAS間の相互ムーブの場合とほとんど変わらない。ムーブ先として「DTCP-IPタイプサーバ」を選択するだけで、複数の録画番組を選択してまとめてムーブすることも可能だ。
ムーブに要する時間は地上デジタル放送の30分番組で内蔵HDDからNASが約12分に対し、内蔵HDDからDTCP-IP対応サーバへが約19分、BSデジタル放送の30分番組で内蔵HDDからNASが約18分だったのに対し、内蔵HDDからDTCP-IPサーバが約27分となった。発表会などで1.1倍速としていたのは、ビットレートの高いBSデジタル放送の場合なのだろう。地上デジタル放送の場合は録画時間の2/3程度の時間を要すると思えばいい。
ちなみにムーブを途中で中止しても(終了ボタンで中止可能)、ムーブ先を廃棄、ムーブ元を保護してくれるので、もうすぐ予約録画が始まるのにムーブを開始してしまった場合でも安心してムーブを中止できる。
DTCP-IPサーバへのダビング後は、ZH500でもDLNAクライアント機能で再生することになるが操作性に大きな差はない。内蔵HDDの録画番組との違いは、音声付早見再生ができない点と、前述のレジューム再生に対応しないことくらい。一覧などの操作性にほとんど違いはなく、違和感なく操作できる。シームレスな操作性は非常に重要だし、この点はしっかりとツボをおさえている。
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