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コラム
2008年05月12日 10時30分 更新

小寺信良の現象試考:

インターネットの教科書を作ろう (1/3)

MIAUのシンポジウムで「インターネットの教科書制作プロジェクト」の話をさせてもらった。教科書といっても、文部科学省認定のようなものではない、我々の考える「教科書」のイメージをお話ししたい。

 5月1日に開催したMIAUのシンポジウムで、我々の「インターネットの教科書制作プロジェクト」の話をした。MIAUはこれまでいろいろな問題に対して意見表明を行なってきたが、物理的な成果物というのがまだない。今後どのような問題が出てくるか分からないが、今のところこれが我々の最初の成果物となるのではないかという気がしている。

 プロジェクトの表明した直後から、これに関していろいろなご提案やお申し出をいただいた。特に複数の出版社からご協力の申し出をいただいたのは、心強い限りである。我々としては、ネットの団体なので成果物はネットで無償ダウンロードできる形で配布したいと考えている。しかしそれを実際に子供たちに配布するときに、自力で人数分プリントアウトやカラーコピーする手間と実費を考えたら、製本されたものを買った方が安い、あるいは経理上通しやすいという現状があるならば、それもひとつの選択肢としてあっていいだろう。

 今回は、筆者が考えている「インターネットの教科書」のイメージをお話ししたい。

面白いものはできないか

 教科書とはいうものの、いわゆる文部科学省認定で学校採用されるようなものは想定していない。そういう意味では、今までなかった分野の副読教材的な存在、と言った方が適切だろう。ただ、内容的に恥ずかしくないないものを目指すということで、教科書とうたっている。一応代表幹事2人がプロのモノカキなので、そうそう変なものは出てこないと思ってもらっていいだろう。ただそのうち1人に締め切りという概念がないのがネックと言えばネックである。

 完成時期に関しては、まだ明言できない状態だ。「夏休み前に配布するプリントなどと一緒に配ってもらったら」というシンポジウムでの発言で、今年夏前にできると誤解した方もいたが、これはあくまでも配布方法のイメージとして述べたまでで、今年の夏の話をしたわけではない。

 なにぶん我々は専従でやっているメンバーがいない団体なので、作業自体は休日や空き時間を使って行なうことになる。まあネットのモラルを集大成しようという事なので、それなりの時間がかかるプロジェクトである。ただ暫定版という形でもいいからこの夏までに欲しいというニーズも、今後出てくるだろう。その場合は臨機応変に、できている部分だけでも公開することはあるかもしれない。

 現在考えているプランは、小学生、中学生、高校生、保護者向けにそれぞれの版を作成するというものだ。子供向けの版は、一応暫定的に小中高と分けているが、対象になる子供はそれほど明確に分かれないだろうと思っている。小学生でも理解の早い子には中学生版でもいいだろうし、そのあたりはネットに対する習熟度に合わせて読むものになるだろう。小中高と分けているのは、学校やPTA、教育委員会判断で配布する際の、大まかな目安のためである。

 しかし、現実に教科書っぽいものは、なかなか子供たちには煙たいものだろう。各学年の正規版は、文章と図版を交えた書籍体裁のものになると思っているが、それとは別に、とっかかりとして興味を持って貰えるような簡易版も作成しようと思っている。

 例えば小・中学生向けには、コミックのような形ではどうだろう。実は公にはしていないが、MIAUには「みゃうたん」というオリジナル・イメージキャラクターがある。児童ポルノ法改正に反対した手前、ある意味非常に出しにくいといえば出しにくい微妙な立場にあるわけだが、このキャラを使ってネットリテラシー教育をやるというのも、面白い試みではないだろうか。

 これをやるには我々だけではマンパワーが足りないというか、約1名が死ぬ思いをするだけである。だが児童ポルノ法改正反対の表明をしたおかげで、同人誌のコミュニティにパイプが繋がりつつある。まだ具体的には何も詰めていないが、同人の皆さんからマンパワーをお借りすることができたら、実現可能かもしれない。

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[小寺信良,ITmedia]

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