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連載2008年05月24日 05時41分 更新
本田雅一のTV Style:実は“買い時”のフロントプロジェクター(1)テレビの新商品ラッシュが落ち着いたところで、少しホームプロジェクターの現状についても書いておきたい。薄型テレビの価格が大きく下がってきているが、プロジェクターの良さは大画面テレビとは全く異なるものだ。夏商戦に向けたテレビの新製品ラッシュも“あとほんの少し”で終わる。ほとんどの製品は発表済みだが、高画質・高品質なディスプレイを求める向きは、あとほんの少しだけ待てば良い発表を聞くことができるはずだ。 テレビの新商品ラッシュが落ち着いたところで、少しホームプロジェクターの現状についても書いておきたい。薄型テレビの価格が大きく下がってきている現在、比較的安価に大画面を手に入れるという目的では、プロジェクターを導入する意味があまりなくなってきているが、プロジェクターの良さは大画面テレビとは全く異なるものだ。 ホームプロジェクターは、純粋に巨大なテレビ代わりとしてとらえると、いくつもの弱点がある。AVマニアなら先刻承知だろうが、部屋を暗くしなければ良好な画像は得られないし、スクリーンを部屋に常設しない場合は見るときにセットアップしてからでなければ見ることができない。また、テレビほど大量に売れるカテゴリの製品ではないため、価格設定も高めになりがちだ。テレビとしての使い方が主ならば、やはりテレビを使うのが一番いい。プロジェクターの導入は勧めない。 しかし、こうしたことを考慮した上でも、やはりプロジェクターにはテレビにはない、特異な魅力がある。80インチ以上の大画面は、こだわりを持って映画を見たい人には最適だ。映画の適切な投影サイズは視聴距離や映画のフォーマット(ビスタやシネスコなど)にもよるが、個人的には視聴位置から50〜60度ぐらいに手を広げてみて、その先に画面の端があると映画を映画らしく楽しむことができると思う。 テレビドラマと映画では、撮影時の画角やカット割がかなり違う。テレビがハイビジョン化、大画面化したことで以前よりも引きの構図が多くなったとはいえ、劇場公開を前提にした大スクリーンでの投影を意識した構図とは同じにはならない。 “小さい画面では映画を楽しめない”とはいわないが、映画ファンならば可能な限り大きなスクリーンで見たいというのが本音だろう。実際、上下に黒帯が出てしまうシネスコサイズの映画の場合、60インチの大型テレビでも1メートルぐらいまで近づかないと、劇場に近い迫力は得られない。 もし(受け身ではなく)自ら積極的に楽しむコンテンツの多くが映画であるという人や、スポーツ中継、コンサート、演劇などを大画面で見たいが、それ以外のニュースやバラエティなどは“見えればいい”という人には、以前から小型テレビとプロジェクターの組み合わせを勧めている(関連記事)。 このコラムで書いた考え方は薄型テレビが安くなってきた今でも、基本的に変わっていない。テレビの使い方をプロジェクターで置き換えるのは無理があるが、プロジェクターの良さはテレビでは得られない。 では、新製品も登場していない今の時期になぜプロジェクターがテーマなのか? それは今年の夏は、近年にない買い時だと思うからだ。昨年、AV業界は特にマニア層がBlu-ray Discレコーダーと最新AVアンプに流れてしまい、メーカーの想定していたペースを超えて価格が下がった。販売数の面で各社が苦労を強いられた結果である。 では昨年末の製品はデキが悪かったのか? というと、実は近年ではもっとも充実した“粒ぞろい”の製品が揃った年だったのである。つまり、製品の実力値としては比較的高いのに、価格は下がってしまったというのが今の状況だ。 しかも低価格なフルHDプロジェクターに共通するエプソンの透過型液晶パネルは今年、あまり大きな変更がない。おそらく120Hz対応などのトレンドは導入するだろうし、製品はより熟成されて完成度も高まるだろう。しかし根本からひっくり返るようなことは、起こりそうにない。 DVD、アンプ、スピーカーまで一体型にした製品から、映画館の再現にこだわった高級機まで幅広く選べ、例年よりもお買い得感が強いとなれば、モデルチェンジ谷間でも検討してみる価値がある。 ということで、次回からは具体的な製品の特徴を挙げながら製品評価のポイントを紹介していきたい。 関連記事
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