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小型軽量ボディに手ブレ補正機構を内蔵――オリンパス「E-520」レビュー(2/4 ページ)

» 2008年06月13日 09時39分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 ハイスピードイメージャAFに非対応のレンズの場合は、シャッターボタンの半押しでコントラスト検出AFが作動しておおまかなピント合わせを行い、全押しした瞬間に位相差検出AFによって正確なピントになって撮影が行われる。これを「ハイブリッドAF」と呼ぶ。また、レンズの対応非対応を問わず、従来通りの位相差検出AFが作動する「全押しAF」も利用可能だ。スピード重視なら全押しAF、精度や操作感重視ならハイスピードイメージャAFと使い分けるといい。

photophoto ライブビュー時のAFは、カスタムメニューから3タイプを選べる(左)、ライブビュー非使用時、液晶には各種の撮影情報が表示される(右)

暗部を明るく補正する「階調オート」

 近ごろのデジカメのトレンドともいえる、ダイナミックレンジを拡張する機能も備えている。

 メニュー内の「階調」の項目を「オート」にしておくと、撮影時に画像の自動解析と自動補正が行われ、暗部から明部までのトーンを幅広く再現できる。特に、高コントラストのシーンで、暗部を明るくする効果が顕著だ。シーンによっては明るくなった暗部にノイズの目立つ場合もあるが、気楽なスナップ用には役立つだろう。

 また同社のコンパクトデジカメでお馴染みのパーフェクトショットプレビュー機能にも新対応した。明るさまたは発色の違いを、液晶画面を見て確認しながら最適な露出補正またはホワイトバランスを選択できる。ビギナー向けの親切機能といえる。

 そのほかの主な改良点としては、液晶モニタの大画面化と連写スピードの高速化、メニュー画面の整理、外部ストロボのワイヤレス発光機能の追加などが挙げられる。横方向の手ブレを補正し、縦位置での流し撮りに役立つI.S.3モードも搭載された。

 撮像素子は、画素数とサイズは従来機と同じだが、新開発の1000万画素 Live MOSセンサーを採用。従来機に見られた白トビが軽減されており、階調表現がより滑らかになった印象を受ける。加えてオートホワイトバランス性能が向上し、日陰や室内などの難条件での安定感が向上した。

photophoto 階調の設定メニュー(左)、Fnボタンには好きな機能を割り当てられる(右)
photophoto 上部左のセルフタイマー/リモコン/連写のボタンに他の機能を割り当てることも可能(左)、レンズマウントはフォーサーズマウントで、撮影画角はレンズ表記の焦点距離の2倍相当(右)

 発色は、デフォルトの設定では誇張を抑えた自然な傾向で、仕上がりモードを利用して、より高彩度・高コントラストにしたり、より低彩度・低コントラストにできる。高感度画質については、ISO400を超えるあたりから暗部のノイズが目立ちはじめ、最高感度のISO1600はノイジーだ。ただし、高感度ノイズ低減機能を「標準」または「強」にセットすれば、実用レベルの画質になる。

 トータルとしては、ライブビューや顔検出、ダイナミックレンジ拡大、ボディ内手ブレ補正、自動ゴミ除去という最近のデジタル一眼のトレンドを完備した製品としてバランスよくまとまっている。ほぼ同機能ながら、ボディ手ブレ補正機能を省くことで、より薄型軽量を実現した兄弟機「E-420」も魅力的だが、操作性重視ならE-520がお勧めだ。

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