富士フイルムの「FinePix」には「S」「F」「Z」「J」と4つのシリーズがある。
Jはシンプルな廉価版、Sは凝った撮影をしたい人のマニュアル重視モデル、Fはコンパクト機のフラッグシップ、そしてZは「オシャレ・コミュニケーション系薄型デジカメ」である。
そのZシリーズのハイエンドモデルが「FinePix Z200fd」(以下、Z200fd)。ピンク、シルバー、レッド&ブラック、ブラック4色のカラーバリエーションに厚さ20ミリのフラットなボディ、さらには5倍ズームレンズとかなり欲張った内容になっている。
しかも、詳しくは後述するが「恋するタイマー」搭載である。何が恋するのか。
CCDは1/2.3インチの1000万画素で、スーパーCCDハニカムではない通常の配列。前モデル「FinePix Z100fd」よりCCDサイズがちょっと大きくなり、それに伴い画角も33〜165ミリ相当の5倍ズームとなった。さらにCCDシフト式の手ブレ補正機構を内蔵している。
屈曲光学系ズームレンズはワイド側での樽型収差がどうしても目立つが、Z200fdは絵を見る限りまったく気にならない。たぶん、デジタル処理による歪曲補正をかけているのだろう。最近、こういった補正をかける機種が増えているが、Zシリーズのようなフルオート系オシャレデジカメではよいことだと思う。
F値はF3.8〜4.8とワイド側がやや暗いが、手ブレ補正機構と速めに増感するプログラムのおかげでブレることはあまりない。
最短撮影距離はワイド端で約9センチ、テレ端で約30センチ。もうちょっと寄れたらうれしかったかな。
ISO感度は64〜1600。「FinePix F100fd」(以下、F100fd)ではISO AUTOにも数種類あって感度の上限を決められるが、Z200fdはそういう細かい設定が省かれており、ISOオートにするとISO800まで、高感度設定にすると1600まで上がる仕様だ。
起動はレンズカバー連動式。Z100fdを受け継いだ、レンズカバーを斜めにスライドさせるという方式だ。最初はちょっと違和感を覚えるが、慣れればどうということはない。右手だけでシュタッと開くことができる。
あとは撮るだけ。
気になったのはシャッターボタンの位置。ボタン自体は大きくていいのだが、横から見た写真を見ると分かるが、微妙にシャッターボタンが後ろ(液晶側)に位置しているのである。カメラを普通にグリップすると、人差し指がやや不自然な位置になり、落ち着かない。
きっとZ200fdはカメラを前後から挟むように持つ本来の構え方ではなく、最近増えているカメラを両手で上下から指で挟むように構える(つまり、ボディの底を両手の親指で、上を両手の人差し指で挟んで持つ構え方)人を念頭に置いたモデルなんだろう。そういう時代ということか。
液晶モニターは2.7インチで約23万ドット。屋外でも見やすいが、もうちょっと視野角が広いとうれしかったか。
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